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【元社員が語るオリンパスの内情】上層部の無理難題で現場は大混乱!

オリンパス

オリンパスに勤めていた頃の社員証。「社内で経営への不信感がありましたので、問題が明るみに出ることはいいことです」と当時を振り返る

巨額の損失隠しが発覚したオリンパス。エンジニアとして働いていた元社員が、同社のずさんな経営陣について語ってくれた。 取材に応じてくれたのは、事件発覚1年前に退職した岩下誠さん(仮名)。岩下さんによると「資産を1兆円にするために利益が出ていないアメリカのIT企業を買収したり、円安がピークのときにイギリスの医療会社を買収したりしていました。買収意図がわからず、僕を含む多くの社員が首を傾げていましたね。今思えば、損失隠しの辻褄合わせだったんでしょうか」 ずさんな経営陣は組織内部も蝕んでいた。「年に2~3個の専売特許がノルマとして課せられていたのですが、その企画を練るのが現場で開発をしている我々ではなく、事業計画などを考える上層部だったんです。当然、彼らは現場を知りませんから、『超小型カメラを宙に浮かせて人間が見たものを全部録画する』といった、机上の空論のようなバカな案ばかり出していましたね」。 また、腐敗した社内政治にも嫌気が指していたという。「組合の役員選出はOBが牛耳っていました。だからOBに気に入られ、組合の役員に選ばれさえすれば将来は安泰だったんです。キャリアアップも同じです。上司に目を掛けられさえすればよかった。実力や業績なんてまったく無視。オリンパスで一番必要なスキルはゴマすり。本当にバカバカしい」。 エンジニアとしてのスキルや知識を評価してくれない会社に見切りをつけ、意を決して退職した岩下さん。外資系保険会社に1年勤めた後、健康サロン事業を立ち上げるも営業不振のため撤退。現在は個人で保険代理店を営んでいるという。 最後に岩下さんはこんな言葉で取材を締めくくった。「オリンパスも企業買収などのマネーゲームから手を引き、モノづくりへと原点復帰してほしい。そして失ったブランドイメージを取り戻してくれることを祈っています」。岩下さんの祈りがオリンパスの経営陣に届くことを願うばかりだ。 今回取材したオリンパスのほか、国内の有名企業を辞めた人たちのその後を追ったSPA!1/17発売号「今どき有名企業を辞めたらこうなった」では、世間では安泰と思われる道を捨て、独自の進路を取った人たちの人生を取材している。今の自分の仕事に満足を得られない方々に、ぜひご一読いただきたい。 文/週刊SPA!編集部
週刊SPA!1/24号(1/17発売)

表紙の人/平山あや

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