「10畳に猫50匹を放し飼い」多頭飼育崩壊の惨劇
「多頭飼育崩壊」という言葉を聞いたことがあるだろうか。飼い主のずさんな飼育からペットが異常繁殖し、飼いきれなくなることだ。糞尿は垂れ流しにされ、餌も満足に与えられないペットたちは劣悪な環境で放置される。5/8発売の週刊SPA!「ペットほったらかし多頭飼育崩壊の地獄絵図」特集では、あまりにも惨い、その現場を直撃した(その一部を抜粋する)。
神奈川県某所。その家のドアを開けた瞬間、強烈なアンモニア臭が鼻をついた。通された部屋はフローリングのリビング。約10畳の空間に、五十数頭の猫がほぼ放し飼いになっている。室内の布という布、すべてが毛と糞尿だらけ。柱は引っ掻き傷でズタズタ。カーテンは尿で変色している。3分もすると、鼻の奥がひりついて麻痺した。口だけで呼吸しようとしたが、のども痛くなり咳が止まらない。ふすまを開け、隣の和室を覗いた。さらに酷い匂いが漏れてくる。中を見ると一瞬、床に土が撒かれているのかと思った。違う。腐敗し、黒く変色した畳と糞の山が一面広がっている。そこにも、自らの汚物にまみれ鳴く、数十頭の猫がいた。
「多頭飼育崩壊の現場は、ほとんどこのような状態です。ここはまだゴミの山でないだけマシなほう。以前、関わった現場では、生ゴミの下に巨大なウジ虫が大量に湧き、スタッフが次々に嘔吐しました」
残された動物たちの“レスキュー”を行う動物保護団体は、そう話す。多頭飼育崩壊とは、飼い主が犬や猫などを複数頭飼っているのに去勢・避妊を怠り、急速に繁殖して面倒を見切れなくなり、飼育を放棄してしまうことだ。結果、現場はさながら地獄絵図となる。
東京・神奈川を中心に保護活動を行う動物保護団体「たんぽぽの里で」(里親希望の方は代表番号(042-707-4648)まで)は、現在も100頭以上もの猫の多頭飼育崩壊のケースに関わっている。そのケースでは、飼い主が5月25日までに現在の住居から立ち退きを迫られているため、このままだと多数が保健所へ送られることになるという……。
<取材・文/週刊SPA!編集部>
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