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素人売春女を狙う「援デリ業者」が暗躍

売春,援デリ

記者が目撃した援デリ業者。中央の男が中心らしく、手前に座る女性に対し指示を出していた

 都内某所の喫茶店内。終電間際の時間帯に、男女4人が座る席で、異様な会話が繰り広げられていた。男性のうち、1人の手元には4台もの携帯電話が。その一つがメールを着信し、男性がつぶやく。「お、着いたってよ。行ってきて」。その声にグループの女性の1人が反応し、店外に出て行った。記者がその後を追うと、彼女は100mほど離れたファストフード店の前に立ちすくんでいる。そこに、「○○さんですか?」と話しかける中年男性が現れ、2人はそのままホテル街のほうへと消えていった……。 「それは『援デリ』と呼ばれる、援助交際を装ったデリヘルの業者です。出会い系サイトの書き込みを使って、素人のふりをして“客”を募るグループ。都内でも特に新宿、池袋、高田馬場近辺にかなり多い」  そう話すのは、自身も以前、同様の業者を運営していたA氏だ。その業態について、こう続ける。 「出会い系サイトへの書き込みや、“客”である男性とのメールのやり取りは男が管理します。ココで書き込んだことは、いちいち女には伝えない。プロフィール写真には田舎のキャバクラや風俗で人気のある女のコのものをアップする。客も後ろめたさがあるから、写真と違ったコが来ても、『ハズレか』くらいにしか思わない。俺のときは、この方法で問題が起きたことはなかったです」  客の男たちが女に支払う報酬は、1回1万5000円~2万円程度が相場だという。では、この働く女性たちはどういった素性なのか? 「女のコは、上京してきたばかりとか、郊外から都心まで遊びに出てきているコが多い。ほとんどが家出少女のようなコたちで、なかには18歳以下を働かせている連中もいますよ。彼女らはだいたい、日給1万円とかで働いていますね。あとは、出会い系サイトで”個人事業主”として援助交際をしている女をスカウトする場合もあります。そのときは、業者の人間が女とアポを取って実際に会い、『1人でやってんの大変だろ? ウチで働きなよ』と、スカウトするんです」  実際にそのスカウトを受けたという女性・エミ(仮名・21歳)の話を聞いた。彼女は18歳から援助交際を始め、今でも週に4,5回、出会い系サイトを通じて客をとっている”個人事業主”だ。 「最初は、『普通のサラリーマンだ』って言われていたけど、Hする前になって『俺らと働かない?』って言われた。仲間に入ったかって? ないない。だって、あいつらと一緒になったら、無理やり必要以上の客をとらされるから。実際、ウチらみたいなコが一番警戒するのって、警察と業者なんだよ。ヤクザの名前使って、脅してくるヤツもいたし」  ちなみにエミは、出会い系サイトや路上で客をとるだけで、「10代の頃は月に40万円くらい稼いでいた」という。「今は5000円くらい値下がりしちゃった。仕方ないよね、不況だし」。売春を繰り返す女と、それを買う男、そして両者を利用する援デリ業者。その攻防戦は今宵も繰り返されている。 <取材・文/日刊SPA!取材班>
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