新設校だけじゃない!大学の“珍名学部”が増えたワケ
昨年、波紋を呼んだ田中真紀子氏による「大学は量より質」「大学教育が低下」「就職できないことにも繋がる」といった大学新設許認可に対する発言。大学問題が注目されるなか、就活も解禁した。昨今増えた珍名学部について大学ジャーナリストの石渡嶺司氏に聞いた!
◆ヒドい大学は4年に一回、改名を繰り返すんです
名前を見ただけでは、何を学べるのかわからない、“珍名学部”。この増加には、大学設立の規制緩和が関係しているという。
「規制緩和で大学設立が簡単になり、『危機管理学部』や『マネジメント創造学部』など、以前は不認可だった珍名がOKになった」と、大学ジャーナリストの石渡嶺司氏。
石渡氏によると、変な名前を付けるのは新設大学だけではないそう。創立80年を超える駒澤大学でも「グローバル・メディア・スタディーズ」なる学部があるという。
「大学の乱立を受け、“生き残るために独自色を”という思惑も、珍名学部が増えた要因。斬新な名前で受験生の関心を引きたいのか、4年に一回改名しちゃう大学もあるくらいです。しかし、変わった名前だけでは学生が集まらない。定員割れしている私大のオープンキャンパスでは、学食をタダにしたり、最新ゲーム機が当たる抽選会を開いたりと集客に必死ですよ」
しかし、大学が血眼になって集めた、珍名学部生たちの就職事情は厳しい、と石渡氏。
「残念ながら、珍名学部の就活生自身が何を学んでいるのかわかっていないケースが多い。そのため、面接で学部の説明ができなかったりする。4年間で、何かしら身につけたはずなのに、それをアピールできない。学校経営を優先して珍名を付けたが、就活まで考えが及んでいない大学も多いです」
何とも本末転倒な話。突飛な名前を付ける前に、まずは全体の就職率を高めたいところだ。
【石渡嶺司氏】
’75年生まれ、北海道出身の大学ジャーナリスト。全国の大学を取材し、その数は400校を超える。11月14日に、自著『なぜ学生の9割は就活に疲れるのか』(主婦の友社)を刊行。その他著書多数
取材・文/青山由佳 大貫未来・齋藤玲奈(清談社) 福田 悠 中野一気(中野エディット)
― [珍名学部出身者の就活]悲喜こもごも【7】 ―
『なぜ学生の9割は就活に疲れるのか』 就活のウソと真実! |
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