甲子園で生まれた『あまちゃん』不敗伝説【第95回甲子園】
連日熱戦が続く第95回全国高校野球選手権。7日目(14日)を終わり、代表49校がすべて登場した。そんななか、高校野球ファンの間で、あるジンクスが話題となっている。
それは、NHKの連続テレビ小説『あまちゃん』のオープニングテーマを演奏した学校はすべて初戦を突破している――。
まずは第5日、自由が丘(福岡)を4-2で破った延岡学園(宮崎)。1-2でリードされた5回、スタンドから『あまちゃん』のテーマが流れると、自由が丘の守備妨害も絡み、一気に逆転、7回のチャンスでもアルプススタンドが「あまちゃん」をヘビーローテーション。ダメ押しの1点を挙げた。
続いては、優勝候補の最右翼と言われている大阪桐蔭(大阪)。第1日に登場。3本のホームランを含む10得点で日本文理に圧勝したのだが、この試合、吹奏楽部は『あまちゃん』のテーマを演奏しなかった。そして臨んだ第7日の2回戦、日川(山梨)にリードを許す苦しい展開に、満を持して演奏されたのが『あまちゃん』のテーマ。すると6回に逆転、一度は日川に追いつかれたものの、延長10回、サヨナラ勝ちを収めた。
そして最後は『あまちゃん』の舞台、岩手県代表の花巻東。彦根東(滋賀)相手に序盤まで6点を取ると、9-5と完勝。チャンスの場面で「あまちゃん」のテーマが繰り返し演奏された。
実はこの花巻東、岩手県予選で「あまちゃん」のリアル舞台、久慈と3回戦で対戦した。6-0でリードしていた9回表、久慈の応援団が「あまちゃん」のテーマを演奏、その途端、エースが暴投し、2点を失うという苦い経験もしている。
番外編は作新学院(栃木)。第3日で桜井(奈良)に17-5と圧勝したが、この時は『あまちゃん』のテーマはおあずけ。野球部と同じく強豪である吹奏楽部が、栃木県のコンクールに出場しており、大阪の高校が代わりに甲子園で演奏していたのだ。その作新学院は15日の2回戦に登場。吹奏楽部も満を持して「あまちゃん」のテーマを他曲とメドレーで演奏し、結果、熊本工に4-0と完勝した。
「『あまちゃん』のテーマを演奏すると試合が動く」高校野球ファンが語りだしたこの「じぇじぇじぇ~」な伝説。甲子園では「不敗伝説」として注目を集めている。 <取材・文/日刊SPA!高校野球取材班>
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