日本にはいまだ数多くの「村八分」が存在している
Mさん(39歳)は2年前に千葉県某の別荘地に夫婦と子供2人で移住したが……。
「周囲が、元都市居住者の高所得リタイヤ組の高齢者ばかり。引っ越して1週間で『子供がうるさい』と苦情が入り、玄関に老夫婦が直接、押しかけてきた。各戸の敷地が300平米以上あるのに」
「秋に庭で落ち葉を焚き火していたら、居住者がぞろぞろ集まってきて『何やってんだ!』と抗議され、消防車まで呼ばれました。外壁が傷んでいたので再塗装の工事を入れたら、『非常識だ』と連名の抗議書が投函されてました」
なんと、30世帯あるブロック全ての住人に挨拶+手土産がなかったのが気に食わないらしかった。
「居住者は現役時代は企業の部長クラスだった人たちばかりで、上から目線が染み付いている。まさかこんな田舎でパワハラまがいの嫌がらせを受けるとは……」
Mさんは転居を考えている。
他にも、関西高級住宅街での陰湿な新参者いじめ、祭りの寄付金に伴う恫喝まがいの協力要請、怪文書攻撃と恐怖の事例がザクザク。週刊SPA!8月20日発売号「全国各地[村八分]の恐怖」ではこうした事例を始め、「村八分されると実際どうなるのか?」という体験談まで紹介している。 <取材・文/週刊SPA!編集部 イラスト/くみハイム>
山口放火事件で動機として語られる「村八分」。しかし、ああした話は限界集落に限った話ではなかった! 日本全国、高級住宅地から団地まで存在する村八分は今でも存在している。
もちろん、代表的なのは地方の寒村だ。
過疎を危惧する自治体の定住促進として広まった「空き家バンク」だが、東京から東海地方某県に移住したTさん(34歳)は後悔の日々を送る。
「移住者は週に一度、村興しのリーダー的存在の老夫婦宅に集まって会食をする。そこにお邪魔し、僕と妻は移住前までやっていたデザイン業を続けつつ、自分たちの食べる分だけ農業をするつもりだと告げると、態度一変。『農業せんなら東京帰れ』と、他の村民に囲まれて恫喝されました」
村興し機運が盛んな過疎地では、積極的でない人間は排除される。
「さらにここは『米作至上主義』で、畑の貸地を探すと『自分らが食うため? 売るため?』と詮議され、売るためなら『米以外は絶対に認めねぇ』と凄まれました」
結局、今はハウス栽培の“派閥”に入って難を逃れたが、米作農家からは今も村八分状態だという。
しかし、こうした過疎地の村に限らず、首都圏のセカンドハウスエリアなどにも数多く存在する。
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