死後に存在感を増す「マイケル・ジャクソン」。追悼パフォーマンスが全国各地で開催
6月21日(日)、東京・お台場のヴィーナスフォート前広場。日曜日ということもあり外国人観光客などで館内は賑わっていたが、小雨のためか広場には人がまばらだった。
そこに突然、マイケル・ジャクソンの「Beat It」が流れ始める。
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すると一般の買い物客に混じっていた数人が、広場の中央で踊り出した。曲が進むにつれて周囲の人々が踊りに参加。その数はどんどん増えていく。最後には、400人以上が加わっていた。
これは、2009年6月25日に急逝したマイケル・ジャクソンの「フラッシュモブ」。事前にインターネットなどを通じて広場などに集結したファンたちが、追悼の気持ちを込めて行ったダンスパフォーマンスだ。マイケルが亡くなった年に始まり、7年目になる。今年は6月20日の大須観音境内・大須商店街(名古屋市)で行われたのを皮切りに、7月4日まで全国各地で行われる。
主催団体「Tribute to MJ JAPAN」代表の奈良美香さんはこう語る。
「2009年10月に舞浜(千葉県浦安市)のイクスピアリで行った初の追悼フラッシュモブには、250人ほどが参加しました。当時はmixiや2ちゃんねるなどで情報交換をして集まったんです。その後、いまはFacebookが連絡の中心になっていますが、全国各地に協力者ができて、昨年は千数百人の方々に参加していただきました。なぜ『Beat It』なのかというと、マイケルのダンスはどれも難度が高いんですが、『Beat It』は比較的簡単にできるので、できるだけ多くの人に参加してもらえるようにと」
どうしてこのようなパフォーマンスをやろうと考えたのだろうか?
「2009年7月に、ストックホルムのマイケルファンがやったフラッシュモブがYoutubeに上がっていて、『これを日本でもやってみようよ!』とファンの間で盛り上がったんです。最初は理由なんてあまりなくて、とにかく『悲しい』『マイケルが大好き』という気持ちだけで始まりました。今では、マイケルのことを知らない人たちにもっと興味を持ってほしいという気持ちでやっています」
◆死後に再評価される「マイケルの言葉」
マイケル・ジャクソンは死後もその存在感を増している数少ないアーティストだ。マイケルが作品やスピーチ、インタビューなどで遺した、平和・環境・人権・子ども・愛などについてのメッセージが再評価されている。音楽評論家の吉岡正晴さんは「マイケル・ジャクソン学が始まる」と題して、マイケルが遺したメッセージを読み解く必要性を説いている。また安冨歩教授(東京大学)はマイケルの死後からその思想性に注目して研究を始め、「最も優れたミュージシャン、ダンサー、慈善活動家であるとともに、最大の思想家の一人」と評している。
「インパクトのあるパフォーマンスをやって、『こんなにたくさんの人たちに追悼されるマイケルって、どんなミュージシャンなんだろう?』と興味を持って、好きになってくれればいいなと。そんな人たちをどんどん増やして、来年は北海道や九州でも開催してくださる方々が声を上げてくださるといいなと思っています」(奈良さん)
6月27日以降のマイケル追悼フラッシュモブの開催予定は以下の通り。その時間帯に、近くにいる方はぜひ寄られてみてはいかがだろうか。
【大阪】道頓堀戎橋~太左衛門橋間(6月27日17:30、18:00)
【岐阜】岐阜駅北口駅前「信長ゆめ広場」(6月27日13:00)
【金沢】石川県政記念しいのき迎賓館(6月28日12:00)
【仙台】三井アウトレットパーク仙台港1F センタープラザ イベントステージ(6月28日11:00、16:30)
【藤沢】ミスターマックス湘南藤沢店(7月4日12:00、15:00、17:00)※15:00は「ちびっこマイケル」によるフラッシュモブ
また、マイケルを追悼して『マイケル・ジャクソンの言葉』展が東京駅前の八重洲ブックセンター本店とタワーレコード渋谷展で開催中。イラストレーターHitomiさんのイラストとマイケルが遺したメッセージをポスター展示している。6月28日にはタワーレコード渋谷店でマイケル・ジャクソン追悼トークイベントも予定されている。
【八重洲ブックセンター本店】中2階の喫茶店「ティファニー」にて、マイケルジャクソン追悼『マイケル・ジャクソンの言葉』ポスター展を開催中。7月9日まで。
https://www.yaesu-book.co.jp/events/fair/7001/
【タワーレコード渋谷店】6階イベント広場にて、マイケル・ジャクソン追悼トークイベント「マイケル・ジャクソンが遺した言葉」を開催。6月28日(日)17:00~、観覧無料。出演:吉岡正晴(音楽評論家)、マイケルやも(アースデイwithマイケル)、Hitomi(イラストレーター)。
http://tower.jp/store/event/2015/06/003104
取材・文・撮影/北村土龍
『マイケル・ジャクソンの言葉』 環境、平和、災害、病気、人種、子ども、音楽、ダンス、愛、哲学……。KING of POPが遺した100の言葉 |
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