元ロッテ捕手・里崎「いまプロ野球ファンにできること」
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、NPB(日本野球機構)は4月17日にプロ野球12球団代表者会議を行い、今季のプロ野球セ・パ交流戦中止を決定。また4月23日には、開幕日の設定が“白紙状態”であることを明らかにした。
今シーズンのプロ野球はいったいどうなっていくのだろうか? 元・千葉ロッテマリーンズ捕手で野球解説者の里崎智也氏に聞いた。
――開幕はいまだに白紙状態のようです。今後どうなっていくと思われますか?
里崎:開幕日の決定はまだまだ先になるでしょうね。緊急事態宣言も、5月6日からさらに延長されそうですし……。アメリカやヨーロッパなどは日本よりずっとひどい状況ですから、WBCは延期になると思います。
――開幕日が決まらないというのは、選手にとっては大きな負担でしょうね。
里崎:僕が選手の立場だったら「この場合はこうする」といった具体的なアナウンスがほしいですよね。NPBが期限を明確にして取り組まないと、何も進まない。延期・中止を何月何日までに決定するのか。もし期日までに決まらなければ、次の期限はいつまでなのか。いつまでに結論を出すのか。そういった情報をNPBは野球関係者にきちんとアナウンスする必要があります。
そうじゃないと、選手も調整のしようがありません。開幕が決まったとしてもすぐ始められるわけではない。全体練習をして、練習試合をして、少なくとも準備に1か月は必要です。
いつ始まるかわからないというのは、めちゃくちゃ調整が難しいと思うんですよね。しかもやるかどうかもわからないから、準備がしづらい。受験生が「入試がいつあるか、さらにはやるかどうかも不明だけれども、入試に向けて勉強しなきゃならない」といった状況です。塾もやっていないから家で勉強して……というような。だから相当難しいと思いますよ。メンタルづくりの面でも、コンディションづくりの面でも。
――開幕日はまだ決まっていないものの、4月23日の12球団代表者会議では「開幕から当面は無観客試合で開催」という方針が打ち出されました。
里崎:無観客とはいえ、選手やスタッフが感染する危険性があります。選手はビジターでの試合のために、公共交通機関を使って一緒に移動するわけですよ。練習を分けてやったとしても、風呂に入ったりロッカー使ったりしていたら一緒じゃないですか。マスクして試合やるわけにもいかないでしょうし。
――台湾は無観客で開幕しましたね。
里崎:台湾は感染者が少なく、コロナ封じ込めに成功しています。だからこそ開催できるのであって、感染者の増加がまだ止まっていない日本では難しいでしょう。聞いた話によると、移動は専用のバスで行い、公共交通機関は使わないという対策もとっているようです。
――それでは、今年の開幕はいつごろになるとお考えですか?
里崎:僕は、今年は現状のままでは難しいのではないかと思っています。このムードの中で開幕して、世論は許してくれるのか。ラグビーやバスケがシーズン中止にしている中で、もしやるとしたら批判覚悟でやるしかない。でも、途中で選手や関係者が1人でも感染してしまったら、一発で終わりですよ。そう考えると、あと数か月で「絶対に安心」と言えるような状況になるとは思えませんから。
現状のままでは、今年の開幕は難しい!?

1
2
|
『プロ野球 里崎白書 Satozaki Channel Archive』 YouTube登録者数22万人!!FA、DH制、パ・リーグの強さの理由…、デンジャラスサインって!?プロ野球界の実態と裏側がすべてわかる。大人気『里崎チャンネル』が一冊に ![]() |
【関連キーワードから記事を探す】
この記者は、他にもこんな記事を書いています