NHKの「受信料ムダ遣い」ランキング――社屋の建て替え費3400億円だけじゃなかった
大きな話題となっている新国立競技場の建設費問題。オスプレイをはじめ、増額する一方の防衛費。「税金だから」といってムダ遣いが横行するケースは数多い。
◆NHK、余った“皆様の受信料”でムダ遣い&贅沢三昧
厳密に言えば税金ではないが、「国民から徴収した受信料」で経営しているNHKも、ムダ&ぼったくりの温床だ。先月、NHKは社屋の建て替えを発表、その莫大な建設費が問題となった。その額、3400億円。六本木に移転したテレ朝の社屋の建設費500億円の実に7倍近くという規格外の建設費。元NHK職員で現在は「NHKから国民を守る党」代表で船橋市議会議員の立花孝志氏は、「初めに3400億円使うことありきでソロバンを弾いた」のだと指摘する。
「NHKは累積黒字が2000億円もあり、国会でも問題となって受信料の10%値下げを行うはずだったのですが『不景気で契約率の低下もある』と7%の値下げにとどめたのです。ところが’11年度は223億円の黒字。受信料値下げを避けるため、長期計画になかったものが急浮上してきたのが、社屋建て替えです。それを口実に、値下げへの圧力を回避しようとしているのです」
立花氏は「そもそも建て替えの必要性も疑問」と語る。
「大阪府庁舎のように戦前から使っている建物はほかにもあるし、今まで免震強化はまったく計画になかったのに、建て替えとともに免震強化が突然言われるようになった。仮にそれが必要だとしても、3400億円もいらないはず。番組制作設備、送出・送信設備などを、必要性のあるなしにかかわらず、高額なものを新たに買い揃えることによって、建て替えの予算を膨らましていったのでしょう。
NHKはもともとコスト意識が希薄なのです。例えば、番組を作る際も予算の枠内ではなく、言い値で番組を作れてしまう。それでも予算を使い切るのは大変だから、余ったお金で職員給与を高くする。NHKの職員の平均年収は1800万円です。今どき非常識なほど高い。籾井会長が仕事ではなくゴルフに行ったハイヤー代を経費で落としたことが問題になりましたが、その程度の経費の不正使用はNHK内では常態化しています。
そこまでして余っているお金を使うくらいならば、受信料の値下げという形で視聴者に還元すべきなのですが、どんな使い先であっても自分たちで使ってしまおう、という発想なのです」
あり余る予算の使い道に苦心するNHKだが、その一方で強引な受信契約の取り次ぎや受信料の取り立てが問題になっている。表向きには「皆様の受信料で成り立っている」と言いながら、陰ではこうしたムダ遣いが横行しているのだ。
【NHK関連事業 ワースト5】
1位:NHK社屋建て替え
番組制作設備、送出・送信設備等、内部設備だけでテレ朝の約3倍という規模。同じ場所で建て替えるため工事が長期化、最終的には4000億円を超えるという予想もある
2位:NHK受信契約営業予算
NHKの営業予算は年間760億円。受信契約を増やすための予算だが、これだけ予算をかけて受信契約数が劇的に増えるわけでもなく、費用対効果で大いに疑問
3位:NHK職員の人件費
NHK職員の人件費は年間約1800億円。1人あたりの平均年収は約1800万円となる。年金、職員寮、保養所も充実。籾井勝人NHK会長は年収3000万円以上
4位:独占放送権料
NHKが相撲協会に支払っている大相撲の放送権料は年間約30億円。かつては民放も放送していたが、現在はNHKだけが中継。「独占」の名のもと高い放送権料を支払う
5位:NHK番組の記念品
番組記念品は個別の番組の予算に含まれ、全体予算では計上されていないがムダが多い。その管理はずさんで、NHK職員がキャバ嬢などに無造作に配っているという報告も
取材・文・撮影/横田一 SPA!税金ぼったくり取材班
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