女優、監督、スタッフも薄給。苦労の上に成り立つAV業界
「男優ブーム」が続く昨今のAV業界。彼らが話す撮影裏話などによって、以前よりその舞台裏が垣間見えてきているのは確か。今回はそこからさらに掘り下げ、まだまだ知られていないAVの裏側に迫る!
売り上げは右肩下がりだというAV業界。あるメーカーの監督・関口昇氏(仮名)が実情を吐露する。
「やっぱり今はAVが売れない時代。現在は1000本売れれば大ヒットと言われています。私が勤めるフェチ系メーカーは、200本売れれば御の字です。ダウンロード販売も増えてはいますが、販売を請け負うAV配信サイトが売り上げの約7割も持っていくので、さほど儲けにはならないんです」
売り上げが下がってしまえば、当然制作費も絞られる。単体女優モノはまだ一定水準を保っているそうだが、酷いのは企画モノやオムニバスモノだという。
「例えば女優さんを6人呼び、大型スタジオを借りて6人の監督が各部屋で同時並行的に撮影を進めることもあります。1人の監督さんの下で1シーン撮り終えたら、メイクを直して次はフェラの部屋、また次は本番の部屋……という具合に各部屋を回ってもらい、それぞれで6本分の作品に仕上げます。女優さんからは『忙しすぎる、1日でいったい何本分撮る気よ!』と苦情も多いですね(苦笑)」
なんともアクロバティックな撮影手法だが、これだけ体を張っているAV女優のギャラも下降線を辿っているという。
「先述の手法で1日に何本も撮る企画女優さんが受け取るギャラは5万~10万円未満。いわゆる“キカタン系女優”でも、出演料は下げない代わりにアナルファック解禁などハードプレイを解禁してもらって15万~20万円程度ですね。体を酷使しすぎて現場でぶっ倒れる女優さんもいるほどです」
そう語る関口氏も含め、メーカー側の給料はもっと悲惨だという。
「私たちのような社員監督は手取り22万円前後です。大ヒットしたらボーナスで1万円もらえることもありますが、少なすぎますよね(笑)。フリーのAV監督は撮影のみなら3万円前後、モザイク職人も120分作品で3万円、パッケージ制作のデザイナーさんも3万円ぐらいですね。機材の発達で幾分かは仕事はスピーディになりましたが、それでも仕事量をこなすので精いっぱいです……」
薄給と苦労の上に成り立つAV業界。違法アップロードされたAVでヌくなど言語道断なのだ。
取材・文/「AV現場の裏側」取材班
― 人気男優も知らない[AV現場の裏側]を暴く! ―
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