ウェディングプランナーの裏側。カップルのフリして他社の式場を“偵察”
“一生に一度”の一大イベント、結婚式。参列者に見守られ、新郎新婦は新たな人生を共に歩み出す……。そんな門出となる日の事前準備から新郎新婦の相談に乗り、心強い味方となってくれる「ウェディングプランナー」。だが、その裏側では苦労が絶えないという。
ウェディングプランナーは、営業マンでもある。自社の式場を顧客に選んでもらうべく、競合他社との熾烈な争いがあるという。ホテル内の結婚式場でウェディングプランナーとして働くしょうたさん(Twitter:@shotablog0612)が話す。
「すでに私たちの式場であげることが決まっているカップルと打ち合わせをしている時でした。式場を決めるまでに、いくつか式場見学をしていたそうなのですが、そのカップルが隣のカップルを見て、『あれ、あの人たちに以前、別の式場で対応してもらいました』と言ったんです」
いったい、どういうことか。一部の悪徳な会社は他社を潰そうと、“カップルを装って”偵察に来るという。
じつは、そのカップルたちは有名サイトを通じて見学や打ち合わせの予約を取り、わざわざ偵察にやってきた偽カップルだったのだ。
「実は、ブライダル業界の暗黙の了解で、自分が働く式場以外で結婚式を挙げる場合は、他の式場で働いていることを打ち明けなければならないんです。でもその隣のカップルはそんなことは一言も言っていなかったので偵察だな、と」
どこの式場にもマイナス面があるが、そのマイナス面を実際にライバル会社に足を運び、あぶり出しているのだ。
「偵察した人たちは、見学にきたカップルに対して、『自分たちの式場はこんないいところがある』というプレゼンではなく、『他のホテルは立地が悪い、料理がよくない』などとマイナスな面ばかりを伝えるんです。なんか、同じウェディングプランナーとして悲しくなります」
他にも、ある式場では、結婚式中に某有名テーマパークのメインキャラクターを登場させられる、と嘘を言ったそうだ。当然、そんなことが実現できるはずもなく、大クレームに発展。裁判沙汰になっているのだとか。
「『今日契約すれば100万円引き!』と言って、値引きいっぱいする分、単価の高いコースばかり案内して、結果的により高くなったり。一部の人は会社の利益しか考えないので、残念な気持ちになります。何しているんだろう、と」
ウェディングプランナーは、純粋にカップルの門出を祝うだけではないのだ。
カップルを装って…他社潰しに躍起
裁判沙汰に発展するケースも
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5歳の頃からサスペンスドラマを嗜むフリーライター。餃子大好き27歳。 たまに写真も撮ります。
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