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「下流老人」になってしまった元料理人の後悔

「下流老人」化への兆候は40代ですでに表れるという。忍び寄る危機を回避するにはどうすべきか、現実に下流老人になってしまった方の声を聞いてみた――

「周囲に優しくしていれば」腕利き元料理人の後悔

~黒川さん(仮名・74歳)~

 さまざまな飲食店を包丁一本で渡り歩き、職人としての腕を磨いた。30代で、10店舗以上展開する焼き肉店の総料理長に就任。元従業員によれば、社内イチの調理技術を持ち、誰からも一目置かれる存在だったという。しかし、総料理長として忙しい業務をこなし、毎日深夜遅くまで自宅に帰れない日々。家族とのスレ違いも大きくなり、糖尿病も患った。

「下流老人」になってしまった元腕利き料理人の後悔

※写真はイメージです

「47歳の時に離婚し、慰謝料と4人の子供の養育費に元妻の生活費の金銭援助を20年間続けました。そこに糖尿病の治療費の支払い。家を含め、財産は何一つ残っていません。子供の顔も20年以上見てませんね」

 黒川さんは、現在週に2日程度、以前の勤務先の団体客の送迎バス運転手としてアルバイトに励んでいる。定年退職した後も、「自分には技術があるから大丈夫」と数々の飲食店の面接を受けたというが、60歳を超えた彼に与えられた仕事は皿洗いや雑務ばかりだった。

「この年になって、人生は運や巡り合わせの要素が大きいと理解できた。40代の頃に、家族にもっと気を使っていれば。社内の人間に優しく接していれば……そんなことを考えてしまいます」

― [下流老人]になる人の意外な特徴 ―




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