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朝ドラ『とと姉ちゃん』で描かれた結核は過去の病気ではない…日本での死亡者は年間2千人

 タレントのJOYも5年前に結核に罹患した一人。JOYは最初、咳き込むことが多いので風邪かと思い、病院へ行った。診断は「風邪」で、風邪薬をもらって帰ってきた。なかなか治らないので複数の医療機関を訪ねたが、どこでも診断は同じ。やがて37~38℃の熱が出て、インフルエンザのような症状に襲われ、「ちょっと息を吸い込むと反動で咳が出るようになりました」と、当時の苦しい状態を振り返った。発症から6か月間、正しい治療は施されず、結局JOYは仕事中に大量の血を吐いたので結核と判明。「死んでしまうんじゃないかと思った」と話す。  現在、JOYは「ストップ結核パートナーシップ日本大使」となり、若い人にも結核のことを知ってほしいと活動している。そして、「咳が続いたら、すぐに病院に行ってください。気づかない医者も多いので、ぜひ自分から『結核じゃないですか?』と聞いてみてほしい」と呼びかけている。  結核に感染しても必ず発病するわけではない。健康であれば、菌を吸い込んだあと、人の体は免疫によって結核菌を抑え込む。その人の体力が低下したり、他の病気になって免疫機能が働かなくなるなどして抵抗力が落ちると、抑え込まれていた結核菌が再び活動をはじめ、発病する可能性があるという。 「結核は、現在日本で流行している最大級の感染症なんです」と語るのは、結核研究所の石川信克所長。肺結核を発病した初期の症状は、咳・痰、発熱など、風邪と同じ。ただしそれが2週間以上も続いたり、良くなったり悪くなったりを繰り返すところが風邪と違うという。「早期発見」こそ結核の感染拡大を防ぐ最大の方法なのだ。 <取材・文/北村篤裕>
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とと姉ちゃん part1

連続テレビ小説(NHKドラマ・ガイド)

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