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魚が大量死…「リオ五輪」ボート競技会場の深刻な水質汚染

南米初のリオデジャネイロ五輪開幕まで、残り3か月を切った。しかし、ブラジルはいま経済の悪化と不安定な政治情勢の影響で大規模なデモが多発するなど、五輪どころではないとの声も聞こえてくる。会場やインフラ整備の遅れ、衛生状態の不安など、懸念事項ばかりの「リオ五輪」に忍び寄るリスクとは?

魚がプカプカ大量死、競技会場の危うさ


水質

国際ボート連盟は昨年11月に「水質に問題なし」との見解を示したが……

 治安問題、インフラ整備の遅れに加え、最近は蚊を媒介とする感染症「ジカ熱」が米大陸全域に広がるとの見通しで、リオ五輪での感染拡大も危ぶまれる。そして、もうひとつ気になるのが五輪のセーリング会場にもなっているコパカバーナ地区からほど近いグアナバラ湾の深刻な水質汚染問題だ。

 グアナバラ湾には、ファベーラなどから出る生活排水が処理されないまま河川などを通じて流れ出ており、今年に入っても魚が大量に死んでいるのが見つかったほど。

 さらに、家電製品やタイヤといった粗大ゴミの投棄も相まって、最近の水質調査でも複数のウイルスや細菌が検出されている。セーリングは水泳のように水のなかに潜るスポーツではないが、水質の汚染による選手への健康被害はかねてから大きな問題とされてきた。

 滋賀県大津市のびわこ成蹊スポーツ大学の武田哲子講師は、日本セーリング連盟の栄養管理スタッフとして、同連盟をサポートし、五輪本番も現地で選手を食から支える予定だ。その武田氏は、昨年の8月と12月にもリオに滞在し、プレ大会などに臨んだ日本チームに帯同したというが、当時の様子をこう振り返る。

「去年の8月に行ったときは、原因が水かどうかはわからないですが、レースに参加していた海外の選手がいきなり高熱を出して救急車で運ばれたということを聞き、『ちょっと怖いね』と選手たちと話をしました。私自身は、魚が死んでいたりするのを目にはしませんでしたが、実際にゴミは多く、湖面をゴミ回収船が動いているのを見ました。水の色は黒く、ゴミを拾ったとしても、水質までを変えるのは難しいでしょう」

 疲れて免疫力が低下すると、汚水が少し口に入っただけで食中毒などに罹る可能性があり、選手の体調管理上心配だと言う武田氏。

 食材の調達にも苦労するという。

「現地で魚などを調達する際には、なるべく色の良いものを選んでいますが新鮮だと思えるものも少なく、多少バランスは崩れても本番前に魚介類の摂取は避けさせたいと思っています」

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選手宿泊地のそばで銃撃戦、強盗も

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