現代のハイテク兵器はフィクションを超えた
【科学技術編】
映画『ファイヤーフォックス』のハイテク戦闘機 ⇒ 軍の最新鋭戦闘機F-22
いつの時代も最先端技術が惜しみなく投入される軍事分野。アニメ作品などで脚本や軍事&SF考証などを手がけるクリエイターの鈴木貴昭氏は「かつての架空兵器が次々と実用化している」と語る。
たとえば’82年に公開された映画『ファイヤーフォックス』に登場する旧ソ連のハイテク戦闘機は、ステルス能力や思考誘導装置などを備えたバケモノとして描かれているが、「見方によっては米空軍の最新鋭機F-22なんて、ファイヤーフォックス以上でしょう。アフターバーナーを使わずに音速を超え、失速しそうな速度や姿勢でも制御を失わずに飛んでいく姿は衝撃的です。ステルス性能も高く、攻撃力もずば抜けています」。
思考制御はまだ実戦投入されていないが、研究は進んでいるとか。
「もっとも、機体自体が大幅に電子化されて、大半の処理を自動で行ってくれるから、映画に出てきた『ロシア語で考えないと制御できない』みたいなドン臭い思考誘導なんて現時点で超えているかも」
また、’83年公開の『ブルーサンダー』に登場した超高性能ヘリコプターにしても「赤外線暗視装置や高性能レーダー、パイロットが見た方向に銃口を向けるバルカン砲など、最近の戦闘ヘリでは当たり前の装備」らしい。
まあ、どんなに夢のようなハイテク兵器も、戦場で向かい合ったらただの悪夢なんだろうけどね。
◆F-22、愛称「ラプター」(猛禽類の意)。F-15の後継機として’05年に配備。ステルス性、超音速巡航、短距離離着陸などの特長を備える
― 続発する[フィクションの現実化]を大検証【6】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ