ライフ

学費のために“バイト漬け”となる貧困大学生。のんびりと過ごすキャンパスライフは夢のまた夢…

大学の特権「モラトリアム」は社会に出ても有意義

 せっかく大学まで来ているのに、バイトが忙しくて授業にすら出られない。こうした“バイト漬け”の学生たちを心配するのは、今年3月に『村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝』(岩波書店)を上梓した政治学者の栗原康氏だ。 「大学生活の意義のひとつに、モラトリアムの時間を買うという側面もあるじゃないですか。それこそが人生にとって一番大事な時間だったりする。中学、高校では大学に行くための勉強をさせられて、勉強時間も大人に決められている。もちろん就職してからも、会社に働く時間を決められている。大学の特権は、自由に自分の時間をつくれるところにあります。授業も自分で選べるし、何をやっても自由。そういう時間があるからこそ、それぞれの人間性を磨くことができる」 campuslife02 大学時代に自分で考え、自分で行動する時間を持った経験は、社会に出てからも決してムダではなく、むしろその“ムダな時間”こそが大切だと栗原氏は話す。 「例えば、サークルの飲み会で女子学生がセクハラされたとする。自由参加のサークルで、そんなのに黙っている必要はないですからね。先輩だろうがなんだろうが、女子が本気で喧嘩をふっかける。ビールをぶっかけたり、ひっぱたいたり、友達と話し合って、一応は先輩だからどうやって怒って土下座させるかとか、みんなで知恵をひねったりするじゃないですか。時間さえあれば、そういうことがいくらでもできる。その感覚が身についていれば、働きに出てからも違いますよね。大学でやれたんだから、ここでもできるぞと思えます」
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なぜ大学の大事な時間を奪ってでも学費をとるのか
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村に火をつけ、白痴になれ――伊藤野枝伝

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