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金正日急死で【金正男待望論】再燃か!?

北朝鮮・金正日総書記の訃報が世界中を駆け巡るなか、SPA!はその長男、金正男氏に注目している。2001年に初めてその存在が報じられて以来、たびたび現れては、その言動やファッションなどでディープなインパクトを残してきた。ある意味、日本で最も人気のある北朝鮮国民ともいうべき、正男氏の魅力とは!?

「正男マトモすぎるよ正男」

「マジかっけーっす」

ただならぬお国の喧騒ぶりとは対照的に、巷では北朝鮮のプリンス・金正男氏(40歳)の人気が高い。

上記のコメントは、2009年3月31日にフジテレビが北京で正男氏を直撃した際、反響として2ちゃんねるに書き込まれたもの。正男氏は「(北のミサイルを迎撃しようという)日本政府の対応はおおげさですか?」という記者の問いに、「日本政府の行動は自衛のため当然だと思います」と答え、視聴者の度肝を抜いた。一部には「狙っている」「言わされている」との疑惑があったが、北朝鮮問題に詳しいジャーナリストのウラジミール氏は、「単なる親切心と見ていい。質問されたから、答えられる範囲で答えているだけ」とみている。

自称“正男ファン”たちは、彼の魅力について次のように語る。

「とっさの問いかけに対し、あれだけ明瞭にものを言える人間はそういない。一緒に飲んでも楽しい男に違いない」(♂・38歳・マスコミ)

「彼のあの容姿や人生背景から我々が抱くイメージを、見事に裏切ってくれるところが面白い」(♂・32歳・専門職)

特に、「日本語わかりますか?」という記者の質問に、流暢な日本語で「日本語わかりません」と即座に答えた場面は、「知性とユーモアセンスを感じた」(♀・30歳・会社員、ほか多数)としてファンの間で語り継がれている。

また「男友達がマカオに遊びにいったとき、サウナで一緒になったらしい」(♀・24歳・会社員)という未確認情報も。これも人気ゆえのことか。

ちなみに、実父である故金正日総書記の跡継ぎには、腹違いの弟で三男の正雲氏(28歳)になる可能性が高いと報道されている。これについて「正男が総書記になったら、あっさり拉致被害者とか返してきそう」(♂・34歳・会社員)などと惜しむ声がある一方、「後継者には向いていない。北朝鮮にはもっと独善的な指導者が適している」(♂・31歳・会社員)と当然視する向きもある。

正男氏の人柄は、「一部の報道関係者の間では以前から知られていた」と、在日韓国人ジャーナリストの李策氏が話す。

「正男氏は、偽造旅券を使用して成田で拘束・強制退去させられた2001年5月以前に複数回、日本に入国していました。日本では赤坂の高級韓国クラブに通っていた。彼を接客したことのあるホステスによれば、『気前が良くて、横柄なところは少しもない。お店が込んでくると率先して席を譲るし、お気に入りの女のコがほかのテーブルに取られてもポツンと一人で待っている、おとなしいお客さまでした』とのことです」

中国でも同様の証言が聞かれる。

『対北朝鮮・中国機密ファイル』(欧陽善著・富坂聰編、文藝春秋)に収められた、正男氏に関する記述は興味深い。同書は、中国共産党の対北朝鮮部門に所属する現役幹部を中心に、外交官や研究所スタッフが、共同作業で書いたものだと伝えられている。

それによると、正男氏と親しい中国人や友人、また’90年代に彼を接待した経験を持つ中国共産党関係者の評判で、「『直爽』(素直)、『大気』(貫禄があり気前が良い)、『熱情』(情熱的)、『風趣』(ユーモアがある)といった言葉が次々にあふれてきて、みな手放しの褒め様だ。広州や香港、マカオの友人たちの間では、金正男のことをみな親しみを込めて『肥哥』(デブの兄貴)という愛称で呼んでいたという」(原文ママ)と記されている。どうやら、ファンが勝手なイメージを作り上げているだけではなさそうだ。

このキャラクターは、果たしてどのようにして育ったのだろうか。前出の李氏は、1995年4月に平壌を訪れた際、ホテルで正男氏を見かけたことがある。そのときの印象は、今とは若干違ったという。

「人民服のようなものを着て、秘書らしき人物を連れていた。肩で風邪を切るような歩き方で一見、横柄にも見えましたが、あれはむしろ『気負い』だったのかもしれない。当時はまだ後継者候補だったはずですから」

つまり、一時は体制の跡取りとして帝王学を学びながらも、何らかの理由で後継者候補から離脱。そして、優雅さと脱力感を併せ持ったキャラクターが一部で人気となっているということだ。

「ただ、正男氏には単純に割り切れない不可解さもある。成田で拘束された際、彼の手帳には広域暴力団トップの名前があったらしい。理由は謎ですが」(李氏)

やはり、「謎」の背景あっての魅力ということか。ともあれ、ファンの一人(♂・40歳・会社員)は「マサオ(正男)には北朝鮮が良くなるために、どんな形でもいいから尽力してほしい。今は政治の舞台から外れているが、彼の力を必要とする日が来るはず。そう願います」と期待交じりに話す。金総書記死去により緊張を増す東アジア情勢。ここはぜひ正男のキャラで好転させてもらいたいもである。

取材・文/週刊SPA!編集部




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