「糖質はコカインよりも中毒性が高い」 ダイエットに挫折する理由を内科医が分析
「食事を我慢する」ことは、ダイエット初心者がまず思いつく簡単に痩せる方法だが、近年ブームとなっている「糖質制限」や、よい食生活の基本とされる「腹8分目」は人によっては逆効果となることも。なぜ、痩せられないのか?
糖質は、食物繊維以外の炭水化物の総称で、たんぱく質や脂質と同じく人間のエネルギーのもと。ご飯やパン、お菓子などに含まれる炭水化物(糖質)を制限すると痩せるというのが「糖質制限ダイエット」だ。米文化の日本人の食生活にとっては、そのご飯を半分にするだけ、と簡単にできるのも魅力のひとつ。
普段から白米やパンなどの糖質を食べてきた人にとって、食べたくても食べられない状況はストレスを溜めてしまう原因となる。糖質制限でストレスを感じる理由は「糖質が薬物以上に中毒性を持っているからだ」と内科医は説明する。
「そもそも人間は、気持ちがいいといった快感を求めることが行動のきっかけです。快感が生じる仕組みは『脳内報酬系』と呼ばれ、そこでドーパミン放出を促進し快感が生じると、それが刺激となり依存症や中毒状態となります。中毒性をもつ物質はコカインなどの覚せい剤や麻薬だけでなく、糖質も同じ作用をすることが動物実験で明らかになっています。人間は快感を求めて無意識に糖質を求め、摂取しないとイライラや無力感などの禁断症状が出てきます。
ラットを使った海外の動物実験では、コカインよりも糖質の甘さのほうがより脳内報酬系を刺激するという報告がされており、要するに糖質はコカインよりも中毒性が高いということ。糖質や甘いものが止められないのはこのためで、糖質制限ダイエットで失敗する人の多くはまずこの壁に悩まされます」
糖質制限ダイエットに失敗した30代の男性は「いくら肉や魚を無制限に食べられるからと言って、完全にご飯を抜くと食事を楽しんでいる満足感がまったくない。1、2週間ほどでしだいにイライラは軽減されるのですが、仕事やプライベートへの無力感には耐えられませんでしたね……」と嘆く。
基本的に糖質以外はいくらでも食べていいとされている「糖質制限ダイエット」では食欲抑制が起こり、長期的には死亡率が高まるといった報告や、糖質を制限するほど死亡率が上がるという海外の研究も多く存在する。何事もストイックにやり過ぎるのは禁物だろう。
「糖質」には中毒性がある
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