人間の普遍的欲求・価値観に訴える「婚活支援ビジネス」の今後

人間の普遍的欲求・価値観に訴える「婚活支援ビジネス」の今後の行方は?  昨年以降、「婚活」が注目を集めるに伴い、徐々に盛り上がりを見せる婚活支援ビジネス。その理由を、『結婚難民』(小学館新書)の著者・佐藤留美氏はこう分析する。 「サブプライムショックによる世界的な大不況で、車もマンションもまったく売れない。消費者は外食を控え、生活防衛・低価格志向を強めていますから、お金がかかるものは売れない。そんな時期に、絶妙なタイミングで出てきたのが『婚活』だと思うんです。このキャッチでカジュアルな言葉の登場のおかげで、消費を控えていた人々も投資するようになり、婚活支援ビジネスが盛り上がってきているのです」  まだ認知度が低いとはいえ、婚活が大きなビジネスチャンスを秘めていることは確かだと、佐藤氏は続ける。 「婚活=結婚の推奨は、少子化問題の解消に繋がります。少子化対策担当大臣が置かれるご時世ですし、まだマーケットが成熟していないぶん、新規ビジネスも打ち出しやすいでしょう」  今後、一時的なブームでは終わらず、一つのビジネスとして定着する可能性も大いにあるという。 「今や4人に1人は結婚できない時代で、ボヤっとしていると一生独身のまま。しかし、ロストジェネレーション世代の未婚男性に話を聞くと、『結婚できるなら結婚したい』と答える人がやはり多いのです。ようやく、周囲の婚活ブームを見て、『自分も変わらないと』と気付き始めてきているのではないでしょうか。ただ、本来は愛情ありきの結婚までの道のりがビジネスとなっていることに、個人的には残念な気持ちもありますが……。『婚活支援ビジネス』が成り立たない世の中が、“本当の幸せ”なのかもしれないですね」 【佐藤留美氏】 出版社勤務を経て独立。20~30代女性のライフスタイルに詳しく、精力的な取材活動を行っている。著書に『結婚難民』(小学館新書) 取材・文/持丸千乃 宮下浩純(ミドルマン) 横山 薫(本誌) ― [婚活支援ビジネス]活況リポート【10】 ―
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