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どっちが臭い?「大阪・道頓堀川 vs 東京・石神井川下流」―― 真夏の“ドブ川”悪臭対決

 悪臭、それは真夏の“裏風物詩”。気温の上昇とともにヘンな臭いも立ち込めるのが夏の常である。そんな悪臭スポットを、臭気計と臭気判定士の監修のもとに回ってみた!

道頓堀川vs石神井川下流

道頓堀川

道頓堀川

 関西で“クサい川”といえば、阪神優勝時や年末年始などに人が飛び込むことで有名な道頓堀川であるが、その不衛生さと臭気は広く知られている。これが流れる一帯のなんばは、清掃・整備の意識が年々高まる大阪の中でも、混沌とした雰囲気が残る異質な地域だ。まずここでチェックしたのは、若者が集まる通称“ひっかけ橋”こと戎橋。臭気計の数値は道頓堀全体で最大値が99だったのに対して、80と低めだった。その一方で、30~50代が集まる年齢層が高めの飲み屋で測ると、125と跳ね上がった。道頓堀では、少し歩くごとに数値が20~30ほど変動し、1つ筋が変わるだけで臭いがキツくなっていった。人の多さで数値が動くことは知っていたが、ひときわ顕著だった。  対するは東京都の北部をほぼ一直線に西から東へ流れる石神井川。王子駅の東側で隅田川に合流する一級河川である。周辺住民も「あそこはクサい」と口を揃える場所だ。  都電荒川線王子駅裏にある、用水路の水面にはゴミや正体不明の触手状の物体、ヘドロ類が浮き凄まじい異臭を放っている。風下で計測すると意外にも数値は88と低め。しかし真夏ともなれば街全体に悪臭が充満することは必至だ。当日の気温は25℃前後だったが、松林氏も「気温が高くなれば臭気が拡散するでしょう」と話す。  甲乙つけがたいが、最大値と範囲の広さで道頓堀の勝利(?)と判定した。 ★結果:ドブ川東西対決は僅差で道頓堀が上回る! <判定コメント> 「ドブ川の臭いは糞尿やヘドロがメインで、気温が高くなると水蒸気とともに拡散されやすいです。ゴミ処理施設、飲食店などには悪臭防止法に準じた対策が課されますが、河川は責任所在がわかりにくく、直接的な規制を行いにくいのです」 ●石神井川下流:88 見た目の汚さではこちらが圧勝。気温上昇につれて、道頓堀周辺を凌ぐ可能性もある ●道頓堀川:99 大阪のクサい場所の代表格。水質は昭和40年代に比べて格段に良くなったというが…… 【松林宏治氏】 臭気判定士。大手デベロッパー、設計会社、病院、一般家庭などの悪臭対策を請け負う、(株)共生エアテクノ代表。http://www.201110.gr.jp/ ― 真夏の[悪臭地帯]対決 ―
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