更新日:2017年06月26日 13:39
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負債11億…神田神保町の老舗「芳賀書店」の社長に21歳で就任した三代目。まず始めたことは身内を切ること

芳賀英紀さん

3代目・芳賀英紀さん。親族からの反発が強く、現在は一旦社長から専務の立場に退いたという

 社長に就任してまず、すぐに身内を切ることから始めたという。 「経営悪化の原因のひとつは、明らかに先代社長も含めた親族及び役員による会社の私物化。会社を継いだ僕に役員たちが、『社長なんだから年間2400万円の報酬を受け取ってくれ』なんて言うんです。どこにそんなカネがあるんだと。役員たちには退職を促し、僕自身も自ら、手取りで月12万円の報酬にすると申し出ました。来客が捨てていったタバコの吸い殻を、拾って帰って吸うような生活をしてましたよ(笑)」  当然三代目就任後の苦労は、内部によるものだけではない。 「社長が僕に代わった途端に、取引銀行2行が融資の即全額返還を求めてきたんです。急遽作成した事業計画書を持って銀行へ単身乗り込み、なんとか説得しました。メーカーとの契約も見直し。当時、DVDなど仕入れる商品はすべて買い取るのが原則でしたが、返品できるように交渉して回りました」
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経営や取引はすべて手探りだった
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