あの西原理恵子が参議院議長に表彰された!?
西原理恵子――ってのは今考えたアダ名だが、税務署相手に脱税バトルするなど、怖いもの知らずの暴れっぷりはご承知のとおり。そのサイバラが、なんと参議院議長に表彰されたというから驚きだ。
実はコレ、10日に行われた日本漫画家協会賞贈賞式での一幕。今年から新設された参議院議長賞に西原さんの『毎日かあさん』が選ばれたのだ。文藝春秋漫画賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、手塚治虫文化賞短編賞など、これまで多くの賞に輝いてきた西原さんだが、まさか参議院議長から賞をもらうとは思ってなかっただろう。
「辞退しないでくれー辞退しないでくれーって言われたんで、もらいました」とは西原さんの受賞の弁。一方、審査委員長のやなせたかし氏いわく、「参議院議長賞って何? どういうマンガを選べばいいの? と思ったけど、西原さんでピッタリだったね」って、どういう意味だ。しかも、選評が「西原さんのマンガはめちゃくちゃなんだよね。マンガ界の常識を破ってる。絵がヘタだからわからないけど、武蔵美を出てるんですよ。よくこの絵で合格したなと思って」など言いたい放題。でも、「一見雑に描いてあるけど、底の部分に詩情が流れてる」と、ホメるところはきっちりホメるあたりは年の功か。
ちなみに大賞は、くさか里樹氏『ヘルプマン』とウノ・カマキリ氏『落画』ほか一連の作品に。文部科学大臣賞には萩尾望都氏、特別賞には高知県のマンガ事業が選ばれた。表彰には、アンパンマンとバイキンマンも登場。やなせ氏が賞状を名調子で読み上げ、さらには「♪賞金たくさんあげたいが~予算がないからしょうがない~」と自作(?)の歌まで披露する。贈賞式というより、ほとんど“やなせたかしリサイタル”状態なのだった。
「やなせ先生は本気で紅白狙ってます。関係者の方はぜひ先生を紅白に」とスピーチを締めくくった西原さん。御年92歳の郷里の大先輩には、さすがのサイバラも噛みつくわけにいかないのね。
取材・文/新保信長
できるかなV3
“マンガ界のカミツキガメ”こと
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