雑学

多摩川の“リア充”ホームレス、グルメ三昧の優雅な日々



自称・元料理人が作るこだわりの男メシ


森さん 匂いの方向に歩き続けると、白い防水シートで覆われた6畳ほどの小屋に辿り着いた。屋内を覗いてみると、グツグツと野菜や肉たっぷりの豚汁が煮込まれているではないか。元料理人だという家主の森佑輔さん(仮名・50代後半)は20年以上、この多摩川沿いに住み、毎日、自慢の料理に腕をふるっているという。

「仕事が見つからず、その上、財布やあり金をすべて盗まれて夫婦で路頭に迷っていたとき、道端のホームレスが食事や寝床を貸してくれた。世間は冷たいもんだよ。国も何もしてくれない。ホームレスだけが優しかったんだ」

 共にホームレス生活を送っていた妻は数年前に他界し、現在は空き缶拾いで生計を立てている。月収はおよそ5万円強。食費が大半を占めるが、2日に一度は近所の銭湯で汗を流したり、趣味の馬券を買う程度の余裕もあるという。そして、さすが元料理人というだけあって調味料がぎっしり置かれた台所の充実ぶりが半端ない。「煮炊き用や炒め物用、天ぷらやソテー用に使い分ける」というフライパンがずらっと並び、ホームレスの住処には到底見えない。調味料もこだわりがあるらしく、ブラックペッパーとホワイトペッパーのストックが完備されていた。

⇒【写真】はコチラ(森さんの家の様子) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1273718

森さんのキッチン

4つもあるフライパンに、食器類もフチが欠けたものはほとんどない森さんのキッチン

 「期限切れ弁当なんか食ったことない」という森さんの食生活に密着すると、栄養バランスを考えた野菜や肉、魚は近所の「ローソンストア100」で購入。冬場は気温がマイナスになる軒下にスーパーの袋を簡易冷蔵庫として吊るし、夏場は発泡スチロール箱に氷を敷き詰めて使うなど保存も完璧だ。

 取材2日目は「米は良い物を食いたい」という森さんこだわりの有機栽培・魚沼産コシヒカリの新米で、手際よくピラフを作ってくれた。そして、3日目には近くで採った野草を使って、ヘルシーな熱々の天ぷらが食卓に並んだのであった。

【村田らむ】
ルポライター、漫画家。著書に『ホームレス・スーパースター列伝』(ロフトブックス)や、『ホームレス大博覧会』(鹿砦社)など

― 多摩川[リア充ホームレス]の優雅な日々 ―

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