金正男の“友人”が初告白「キムちゃんは金正恩にも同情していた」
衝撃の暗殺事件から約2か月。故・金正日総書記の長男にして、金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄である金正男氏の遺体が3月末には北朝鮮へ移送された。この事件で現在、訴追されているのは、実行犯であるベトナム人女性とインドネシア人女性の2人のみ。国際刑事警察機構(インターボール)は北朝鮮国籍の4人を指名手配しているが、事件当日に北朝鮮に帰国したとみられているだけに、今後も逮捕される可能性は低い。事件の真相は、遺体の搬送とともに闇に葬り去られようとしているのだ。
こうした状況に怒りを隠さない人物がいる。シンガポール在住の中国系ビジネスマンのA氏だ。今回、金正男氏との思い出の写真を数多く提供してくれた人物でもある。
「なぜ、あんな気のいいヤツを平気で殺すのか……」
そう話すA氏は「北朝鮮のロイヤルファミリーとしての彼でなく、友達の“キムちゃん”の素顔を多くの人に知ってほしい」と重い口を開いた。そこには、今まで語られることのなかった金正男氏の姿が……。
息子・ハンソル氏との2ショットに、刺青を見せながらポーズを取る写真、とぼけた自撮り写真……。シンガポールに住む中国系ビジネスマンのA氏が見せてくれた写真の数々は、知られざる金正男氏の素顔を誰よりも饒舌に語っていた。
「子煩悩で父(金正日総書記)を尊敬し、人種問わず人が好きだった」
こう話すA氏と金正男氏との出会いは、5年ほど前のシンガポール。バーで隣に座ったことが、親交を深めるきっかけになったという。
「『本物かな?』とチラチラ見ていたら目が合った。それで、『一緒にどうですか?』と声をかけたのが最初でした。何杯か飲んだところで、彼は『連絡先を教えて』『写真を撮ろう』と言ってきました。そのガードの緩さから、『別人か』と思ったことを覚えています。交換したメッセンジャーアプリの名前も『Kim F』だったので。翌日には、律義に『昨日は楽しかった。また飲もう』というメッセージをくれました。『いつでも!』と送ったら、すぐに返信が来て今度は2人で飲むことに。酔っぱらった彼が『おれは北朝鮮のロイヤルファミリーで』と話し始めたときは、驚いて噴き出しそうになりました(笑)」
以来、A氏は金正男氏がシンガポールを訪れるたびに、一緒に飲み明かすようになったという。
「彼は『金正男』であることを全然隠しませんでした。かといって、偉ぶったりもしない。だから、慕う友達が多いんです。一度だけスイスのインターナショナルスクールに留学していた頃からの友人も紹介してもらいました。投資銀行などで働くエリートばかりでした。日本人の友達も多く、みんなに『キムちゃん』と呼ばれていたので、自然と私もそう呼ぶようになった。彼のおかげで私にも日本人の友達が増えたんです。友達みんなで彼のために誕生パーティを開いたこともあった。そういうときの彼はだいたい、パーティグッズなどで妙な格好をさせられていました。みんなで服を脱がせたりもした。すると、彼は刺青を見せながらポーズを取る。聞いたら、マカオで刺青を入れたようです」
「キムちゃんは金正恩にも同情していた」
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