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東国原英夫氏、県知事時代に体験した“男性更年期障害”の過去。発汗、不眠、やる気の欠如…「たけし軍団時代は何を言っても許されたけれど」

 テストステロンの減少で中高年男性の6人に1人がなるといわれる男性更年期障害。以前、実際に医師から男性更年期障害と診断された人たちの事例を紹介した。 【前回記事を読む】⇒「中高年男性に増える「男性更年期障害」のリアル。理由もわからず苦しむ当事者たちの思い」はこちらへ  変調の理由について当人たちは、年齢のせい、疲れているだけという意識であったが、一様に医師から、男性ホルモン「テストステロン値」の低下を指摘されていた。  そもそもテストステロンとは何なのか。減少することで起こる心身の変化とその理由とは何か。いまいち認知されていないこの問題について、専門医とゲストに聞くトークイベント「2024年『国際男性デー』特別企画 ぼくたちはどう生きるか?―仕事と趣味と健康と、家庭と職場と人生に、役立つライフハックFES―」が11月10日に行われた。

県知事就任後に感じた“体の変調”

東国原英夫

元宮崎県知事の東国原英夫氏(写真/産経新聞社)

 登壇する医師は、男性更年期障害の国の実態調査を主導している順天堂大学の堀江重郎教授。ゲストは元宮崎県知事の東国原英夫氏。2007年から11年まで、宮崎県知事を務めた東国原氏は、知事に就任した50歳の当時、発汗、不眠、イライラ、集中力の欠如、倦怠感など、今にして思えば、男性更年期障害と思える不調を感じたという。 「実際に診断されたわけではありませんが、明確におかしかったです。エネルギーみたいなものが感じられないというか。それでも、年のせいで疲れやすいだけかなと思ってました。また、お笑いタレントから行政職へ、そして東京から宮崎へと職場環境が180度変わったせいもあり、体が慣れていないだけかもと自分に言い聞かせていました」(東国原氏)  医師の堀江氏によれば、これら東国原氏に起きた変化は「教科書的な男性更年期障害の特徴」という。 「男性更年期障害とは、男性ホルモン・テストステロンの減少による諸症状を指します。テストステロンは、認知機能や丈夫な骨、筋肉、すべすべな肌など健康な状態を保持したり、チャレンジ精神や競争心を高めてくれます。が、これが下がることにより、意欲・集中力が衰えたり、チャレンジできない、人間関係がおっくうになるといった弊害が出てきます。身体的な特徴としては、頻尿になる、眠りが浅いというのも特徴です。いわゆる女性更年期は閉経から始まるもので全員が経験しますが、男性更年期は症状の有無、重さで個人差がありますが、東国原さんがそうだったように、仕事や住環境、立場など、社会的変化で生じることが多いです」(堀江氏)

褒められることが“薬”ではあるが…

堀江重郎

順天堂大学の堀江重郎教授(写真/産経新聞社)

 まさに、たけし軍団から宮崎県知事へ変わった東国原氏の当時の状況は、男性更年期障害を生じる要因として、そっくりそのまま当てはまる。また、堀江氏は「よく眠ることや適度な運動、そして褒められることで改善に向かう」とも解説するが、知事に就いたばかりの東国原氏にとっては難しかったという。 「そもそもマラソンが趣味でしたが、県知事という自分の立場は警護対象になるので走ることは控えてました。また、仕事柄、褒められるというよりもお叱りを受けることが当たり前です。例えば、マンゴーやチキン南蛮、肉巻きおにぎりなど、特産品の魅力を伝えることで生産量をあげたとアピールしても『あなたがPRしすぎて、去年まで買えたマンゴーが高くて買えない。マンゴーみたいな顔して!』と地元の方から怒られることもありました。一言一句に責任が出ますし、それがストレスだったかもしれません。たけし軍団時代は何を言っても平気でしたから(笑)。」(東国原氏)  一挙手一投足が耳目を集め、ニュースになる知事職にあって、健康不安を感じさせぬよう、不調を感じていても易々と病院にかかることはなかったという東国原氏。知事退任後に訪れたメンタルクリニックで男性更年期かもと診断され、泌尿器科の受診を勧められたのは、心身の不調を感じてから実に7年後のことだった。 「そもそも当時は男性更年期障害というものを認識してなかったのも医療機関の受診が遅れた一因だったかもしれません。あの頃、男性更年期障害を知っていれば、もっと救われたのにと、今になれば思います。ほどよく体を動かしてください、という医師の勧めでジョギングも復活し、少しずつ改善していきました」(前同)
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男性更年期障害とうつ病、どう違う?
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