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ステマ炎上の種は他サイトにも 企業の広報活動の今後は?

2012年が始まるとともに「ステマ」が大きな話題となっている。『食べログ』の“やらせ業者”発覚、ネット企業の株価下落、大手まとめブログ『はちま起稿』の管理人がステマ疑惑で辞任など話題は尽きない。消費者にとって口コミサイトは、企業の一方的な情報より、多用な意見が信用できるとしてすでに定着。ソーシャルメディアの普及で、より消費者の声の情報価値は上がってきている。そんな時世にステマ騒動が起きたというわけだ。

一方で、『食べログ』の“やらせ”を見抜くWebサイト『ステログ』が登場した。各飲食店の食べログのURLを入力すると、独自のアルゴリズムにより、“やらせ”がどうかを判定するというものだ。“イタチごっこ”という見方もあるが、今後の企業の広報活動はどうなるのだろうか? メディアプロデューサーとして様々なWebサイトを手がける野村亮介氏(@Ryoz)に話を聞いた。

――『食べログ』など口コミサイトの評価は、そもそも信用できるのでしょうか?

「今回の騒動を機に『食べログ』の評価数値について調べてみると、ステマ対策とみられる仕様がありました。投稿数が少ないユーザーの☆はグレーで表示され、評価集計に反映されないようです。さらに、☆1つを付けることもできないようです。ただ、これは“やらせ業者”がこの仕様に対応してアカウントを用意すれば回避できるので、ステマ対策にはならないですね。結局は人の目で見て判断するしかないです」

――『ステログ』も意味はない?

「まだ出来たばかりなので何とも言えませんが、改善されていって意味のある指標になってくれればと思っています。けれど、実際に“やらせ”判定の出ている店を見てみると、グレーの☆だらけになっていたので、一定の目安にはなるかもしれません」

楽天市場レビュー

楽天市場レビュー

――他のWebサイトはどうでしょうか?

「楽天市場などでは『レビューを書くと送料無料』といった、レビューを集める施策がされていますよね。レビューを見てみると『まだ商品届いていませんが、素晴らしい商品です』などの投稿も多く、消費者の生の声とは言えない状況となっています。Amazonのレビューもネタ投稿があったり、商品の本音の感想とは言えない場合も見受けられます」

――レビューサイトは今後、信用できなくなっていくのでしょうか?

「より見抜く目が求められてはきますが、今後もレビューサイトは改善されて残っていくとは思います。知人や友人の意見を重視するという傾向は変わらないと思うので、今後はよりリアルの人間関係をベースにした、ソーシャルなレビューサービスが流行るでしょう。Retty(http://retty.me/)というサイトは、FacebookやTwitterの知人と、来店したお店リストを共有できます」

――企業の広報活動は今度どうなるでしょうか?

野村「ブログが流行りだした頃も、一般ブロガーに商品PRの依頼などは多かったですよね。他にも昔からステマに近いものはありました。バイラルマーケティングとの線引きは難しいところもありますが、今回の騒動で企業の広報活動自体が萎縮してしまうのはもったいないですよね。バナー広告など従来の広告形態だけになってしまったら残念です。企業は既に所有しているTwitterアカウントやFacebookページなどを通して、生活者と向き合って、より真摯にきちんと情報発信を続けていってほしいと思います」

野村亮介

野村亮介氏

◆野村亮介(のむら りょうすけ)
メディアプロデューサーとして、Webサイト企画を多数手がける。Facebook、NFC、AR、顔認識、アプリ開発など、その領域は多岐にわたる。
Twitterアカウント:@Ryoz(http://twitter.com/ryoz

取材・文/林健太




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