職歴ゼロの41歳に未来はあるのか? 税金、保険料、ケータイ料金も年老いた両親に頼る日々
現在は母と都営住宅で同居中。食費以外の生活費はすべて母親が出してくれているという。相沢さん自身の収入は、喘息の治験で得られる謝礼とごく稀に行う交通量調査のバイトによる月2万~3万円ほど。貯金はもちろんゼロだ。
「この年までこんな生活だと、社会常識が欠けていて何も知らないという自覚があります。おそらく税金や健康保険料も親が払ってくれているんだと思います。携帯料金も親が払っているので、スマホに替えてほしいだなんて言えません。母は65歳になりますが、最近新たに職業訓練を受けてパートに就きました。僕が重荷になっていることはわかっています……」
日が暮れかけた頃にようやく外出。この日は桜並木の下でしばし花見に興じた後、近所のレンタルビデオ店へ。1時間ほど吟味し海外ドラマシリーズのDVDを借り、自宅へ帰る途中、近所のスーパーへと立ち寄った。
<1か月の家計表>
収入 3万円
家賃 0円
光熱費 0円
食費 2万5000円
通信費 0円
外食費 0円
娯楽費 2000円
交際費 3000円
――――――――――――――――
収支 0円
― [独身 無職 中年]の絶望 ―
「昔は母親と一緒に食事を取っていましたが、今は呆れられてしまったのか完全に別々。でも、ご飯は炊いてくれているので、閉店間際のスーパーにおかずを買いに行くのが日課なんです」
スーパーからの帰路、これからも続くこの生活への不安を聞いてみた。
「20代の頃はバイトで月30万ほど稼いでいた時期もありました。でも、体力的にもうその頃には戻れませんからね。不安はもちろんありますよ。実は両親ともに最近体調を崩していて、具合が悪いなか働いているんです。父は同居する高齢の祖母の世話もしています。僕は長男なので、もし両親に何かあったらどうしよう、とは思うんですけどね。弟は関わりたくないのか、僕らとは完全に関係を絶っています」
両親が働けなくなれば、相沢さんの生活が立ちゆかなくなることは想像に難くない。両親が働けなくなったとき、さらには介護が必要となったとき、相沢さんはどう生きていくべきか今もなお答えはわからないままだという……。
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