更新日:2022年08月28日 09:46
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アゴの歪みとコリを取り除く“整顎”で体の不調が解消できる!?

 疲れやすさ、頭痛、肩や腰のコリといった体の不調は、アゴの歪みやコリを取り除くことで改善されるかもしれない。  一日に2000回もの反復運動を行っているともいわれるアゴ。倦怠感や自律神経失調症など心身に広く悪影響を引き起こすこともある顎関節症は、「2人に一人が一生のうちに一度は経験する」とも言われ、その予備軍は9割にのぼるとも言われている。

「スマホは“アゴこり製造機”です」

「姿勢の乱れやストレスによる食いしばり癖などによって、現代人のアゴへの負担が蓄積し、顎関節症など様々な体の不調の原因になっています」と、“整顎”の重要性を指摘するのは一般社団法人日本整顎協会で代表を務める藤原邦康氏だ。  同協会は顎関節症などが原因の体調不良に悩む“アゴ難民”の駆け込み寺として設立され、整顎師を育て全国にその登録院を増やしてきた。 「スマホは“アゴこり製造機”です。画面をのぞく時に猫背姿勢を長時間続けがちになるため、顔面が慢性的な緊張状態になります」(藤原氏)  実際に顎関節症の再来患者数は’00年代後半から増加の一途をたどっているというデータもあり、実際にアゴにフォーカスを当てた施術を行う藤原氏のカイロプラクティック・オフィスでは近年、中高生など10代の来院者も増えているという。

「東京医科歯科大学顎関節治療部の新患者数ならびに再来数」(木野孔司著『顎関節症とかみ合わせの悩みが解決する本』)より作成

 もっとも、人体はある部位が歪むと、反作用のように別の部位が前後左右上下に傾くような振り子構造になっている。そのため、藤原氏のカイロプラクティック・オフィスでは本来6回にわたって全身の歪みを取り除いていくのが基本。

“整顎”を体験!

 あくまで“整顎”はそのうちの一回として行っているそうだが、今回取材班は特別にアゴを中心とした施術のみを体験することにした。  ちなみに、眼精疲労や怠さなどを感じやすく、歯ぎしりを指摘されることもある取材班。施術前の藤原氏の見立てたカルテはこんな感じ…。 ⇒【写真】はコチラ(カルテ) https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1337566

問診票の黒丸は自覚症状を感じる部位。赤が先生の診断

 頭と骨盤が右下がりなのに、肩は右上がり、背骨がS字に湾曲してしまっている。しかも、骨盤が歪んだことで右左の脚で動きやすさも長さも違う。記者自身、姿勢の悪さは自覚していたが、自分で想像していた以上に「やり甲斐のある身体」(藤原氏)のようだ。

「マッサージの気持ちよさは、かゆいところをかくと気持ちいいというのと一緒」

 実際の施術では目や舌の動き方といった体の微妙な反応を診て、日々の生活で蓄積したミリ単位の顔の歪みを発見し、指先で軽く筋肉を押したりつついたり、特殊な器具(SLD)でちょっとした刺激を筋肉に与えて、緊張やコリを取り除くということを繰り返していく。

骨盤が歪むと左右で足の長さが変わったりするらしい…ショック

「どこにどのような刺激を与えるかは100人いれば100通り。一人一人違う上、同じ患者さんでも一回一回必ず反応を見て、その日の体調や状態にあった施術を臨機応変に行っていきます」(藤原氏)。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1337568

撮影に協力してくれたのは司会業の仕事をしている南友香さん。今回で4回目の受診。カイロプラクティックというと骨をポキポキと鳴るような、少し怖いイメージもあったが痛みなどはまったくない

眼球や舌やアゴの動き、脚の筋肉の反応などを見ながら、最適な箇所に最適な刺激を与えていく

「SLD」という器具を使い筋肉に刺激を与える。痛くはなく、筋肉の緊張をリセットするような効果があるという

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二回目以降は10分程度で終わる手軽さ
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1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii

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