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声優ファンの心を掴む!多様化するオーディオブックの世界

 日本最大のオーディオブック配信サービス「FeBe」を運営する株式会社オトバンクが月額750円のオーディオブック聴き放題アプリ「audiobook.jp」を6月26日にリリースした。

 書籍などを音声化し“聴く本”と称されるオーディオブック。その市場はアメリカでは2000億円にものぼり、書籍の5~10%をオーディオブックが占めているとされている。日本国内の市場は現在50億円程度に留まっているものの、その潜在市場は最大1000億円規模ともいわれ、急成長を続けている。

 読書のためにまとまった時間を確保しにくい中、電車や就寝前といったスキマ時間にスマホなどで電子書籍を読んでいるという人は、決して少なくないだろうが、“ながら聴き”という新たなコンテンツ体験ができるオーディオブックは、日々の情報収集や読書における第三の選択肢となりえるのか。

 2016年から2017年にかけての一年間で登録者数を5倍に伸ばした「FeBe」の動向から探る。

 オーディオブックは黎明期から多忙なビジネスマンに利用されるケースが多く、自己啓発本やビジネス書ばかりといったイメージは未だ根強い。実際、オトバンクの広報担当・佐伯帆乃香氏も「昨年のビジネス書単行本ベストセラー(株式会社トーハン)ベスト10のうち、9作品がFeBeで現在配信されています。お目当のビジネス書はほぼオーディオブック化されていると考えてもいいかもしれません」と語るように、いま現在もビジネス書がオーディオブックの売れ筋のカテゴリとなっているのは事実のようだ。

 しかし、近年FeBeでは文芸作品の新作タイトルを継続的にリリースしている。6月末現在、FeBeのサイトをざっと覗いてみるだけでも、7月に映画化される『君の膵臓を食べたい』(住野よる著、双葉社刊)、85万部のベストセラー『おやすみ、ロジャー』(カール=ヨハン・エリーン著、三橋美穂監修、飛鳥新社刊)、芥川賞受賞作『火花』(又吉直樹著、文藝春秋刊)といった、書店で平積みされているような有名タイトルが数多く見受けられる。ラインナップが充実するにしたがい、ライトユーザーの増加などその層はより厚くなってきた。

「特に文芸作品が充実してきたことで、女性ユーザーが顕著に増加しました。利用されるシーンも実に様々でランニングなどの運動中や通勤などの移動中、子育て中のお母さんが子供を寝かしつける際、真っ暗な部屋でオーディオブックを聴いているという声もあります」(同)

 また、年齢層も幅広く全世代的になっており、老眼で本を読むのがつらいという人が、散歩しながらオーディオブックを聴くのを日課にするようになったケースもあるという。

元AKB48の仲谷明香が、声優として参加した“もしドラ”(岩崎夏海著、ダイヤモンド社刊)

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