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いまだに「飛び込み営業」がまかり通っている理由

◆わかっていても実際にはやっていないラポール営業

小林一光

小林一光氏

 外資系生命保険の営業マンとして日本一になった経歴を持つ小林一光氏に、商談を成立させるを秘訣を尋ねたところ「まずは、いかに相手の興味を引き、感情に刺さる部分を見いだすかが大事になります」とのこと。

 最初は商談などせずに、雑談から入るというのだ。

 しかし、“ラポール(=橋を架ける)”と呼ばれるこの手法、実は昔から知られている営業の基礎でもあり、営業マンであれば口酸っぱく言われていることだ。ところが実際の現場では、いまだに「100件飛び込みしてこい!」という体育会系の営業が大手を振ってまかり通っている。なぜか?

「時間をかける営業は、成果が出るまでに時間がかかり、タイムラグが発生します。ですから、目先のノルマがある以上、飛び込みに頼らざるをえなくなる。頑張って信頼重視の“売らない営業”を心がけている営業マンも、最後の最後で豹変してぶち壊してしまうケースの多いこと。余程の覚悟がなければ、実行に移せないんですね。例えば、他社の商品の相談に乗るなど、相手の利益にはなるけれど自分の利益にならないことを平気でやる。そして、その態度を貫く。それが信頼に繋がるのです」

 一度成績が大きく落ち込んでも、信頼関係が築けていれば口コミで新たなお客さんが見つかり、その輪が広がるほど成績は上がる。

「次のお客さんまで見据えた営業ができるかどうか? それが、営業の極意だと思いますね」

 特に女性は口コミを信用する傾向が強く、成約率は雲泥の差に。

「とにかく数を打つ飛び込み営業を“狩猟”とすれば、信頼関係を基にした口コミの営業は“農耕”。時間と手間、そして何より収穫までの我慢が必要になりますが、一度耕した大地からは何度も収穫することができます。その結果として、継続的に豊かな実りを手にすることができるというわけです」

【小林一光氏】
アイ・タッグ代表取締役。早稲田大学卒業、在学時にはラグビー部に所属。プルデンシャル生命保険で2度の売り上げ成績日本一を達成し独立。著書に『営業でいちばん大切なこと』など

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