偉人と同姓同名は損か? 得か?
―[[珍名&同姓同名]さんの悲喜劇]―
広告代理店の営業マン、杉田玄白さん(33歳)は、オランダの医学書『解体新書』の翻訳などで知られる江戸時代の医師と同姓同名だ。
「父が、とにかくインパクトのある名前をつけたいと、叔父さんから提案された案を採用。母は反対したみたいですけどね」
名前が名前だけに、やはり医者になるのを期待されていた?
「親は淡い期待を抱いていたようです。自分もボンヤリと憧れたりはしましたが、中学に入る頃には『絶対無理』と、みんなが夢から醒めた(苦笑)。大人になってからは『医者になれず、しがない営業マンをしている杉田玄白です』と、自己紹介のネタにしてますよ」
入学式や卒業式で名前を呼ばれると、場内が微かにザワつくのも毎度のこと。
「教室を覗きにくる人もいました。で、しわくちゃのハゲたオッチャンではなく、センター分けの小僧がいて『普通だね』とつまらなそうに帰っていく」
いろいろあったが「個性的で、すぐに覚えてもらえる自分の名前はすごく気に入っている」そう。
「でも、今でも慣れないのは病院などでフルネームを呼ばれるとき。一瞬、みんなの視線が受付に集まるのがわかるんです。だから、あえて10秒くらいおいてから立ち上がったりしてますね」
― [珍名&同姓同名]さんの悲喜劇【7】 ―
この特集の前回記事
ハッシュタグ