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なぜ企業の不祥事は後を絶たないのか? 不正が行われる最大の理由

 大企業の不正やミスが次々と発覚している昨今。その隠蔽メカニズムを探るべく実情に迫った。

初期対応

巨大な隠蔽工作は、現場の初期対応が原因となる!


「その規模や中身はともかく、ほとんどの企業で何かしらの不正が行われている印象です」

 こう分析するのは、リスクマネジメントを専門とするレップスコンサルティング代表の西野泰広氏だ。

「不正や不祥事は企業にとってのウイルスのようなもの。最初は現場の社員や部署による小さなミスの隠蔽に始まることが多い。その段階で対処しておけば大事にならないのに、放置して気がついたときには会社全体が感染してしまう。組織ぐるみになれば、関与している人が多いから罪悪感も感じにくくなり、是正の機会がますます失われます。そして発覚して社会的な批判を浴びるまでになってしまうと、もはや手の施しようがありません」

 今世間を騒がせている企業の不祥事はいわば、パンデミックのような状態というわけだ。なぜこうした不祥事は後を絶たないのか?

「プレッシャーです。会社としては業績に対するプレッシャーが大きいでしょうし、個人としても上司のプレッシャー、家族のプレッシャーなどいろいろある。取引先からの無理な発注も、もちろん大きなプレッシャー。それらが複合的に合わさって不正につながることが多いんです」

 このご時世、ノープレッシャーで働いている人はいないだろう。となれば、誰もが不正に手を染めたり、ミスを犯す可能性があるというわけだ。では、組織ぐるみの隠蔽を防ぐためにはどうすればいいのだろう?

「会社内の風通しをよくすることにつきます。不都合なことでも気軽に上司に相談できる環境は欠かせないでしょう。現場の社員を上司と取引先の板挟みにするような会社は不正が起こりやすいといえます。また、万が一、社内で不正が発覚したら早期に公表して謝罪、ハッキリと対策を示すなど積極的な対応をすればダメージは小さくて済みます」

 何でも相談しろと言いながら、実際に相談したら「自分で考えろ」と突き放す上司のいる会社は少なくないが、そういった対応が隠蔽の規模を雪だるま式に大きくしているのだ。あなたの働く会社は大丈夫?

【西野泰広氏】
ソニーで長くリスクマネジメントに携わり、’11年に独立。現在は企業の不祥事対応などを中心としたコンサルティング業務を行っている。

取材・文/鼠入昌史(Office Ti+) 古澤誠一郎 加藤カジカ 林泰人(本誌)
― [我が社の隠蔽]バラします ―





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