更新日:2018年03月27日 10:25
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ノンアルコールビールや甘酒、お酒入りチョコでも飲酒運転になる!? 警視庁に問い合わせてみたところ…

アルコール入りのお菓子や甘酒は運転NG

 コンビニなどでも売られており、なにげなく口にするお菓子類はどうなのか。ロッテのチョコレート「バッカス」はアルコール分3.2%、「ラミー」はアルコール分3.7%が含まれている。 ・お酒入りチョコレートのロッテ Q.「ラミー」や「バッカス」を食べて車を運転しても大丈夫ですか? 「『バッカス』や『ラミー』には洋酒が入っていますので運転の前や運転時はご遠慮下さい。また、お子様やアルコールに弱い方、妊娠・授乳時の方もご遠慮ください」  また、飲みやすくておいしい森永の甘酒の場合は? 「甘酒に含まれるアルコール分は1%未満で、お酒ではありません」としているが、運転することについては大丈夫なのか? ・甘酒の森永製菓 Q.缶の甘酒に含まれるアルコール分について教えてください。 「缶の甘酒に含まれるアルコール分は1%未満であり清涼飲料水ですがお客様のご体質によっては、アルコールに対して敏感に反応される方もいらっしゃいます。アルコール分がゼロではないので、弊社としましては、運転前・妊娠中・授乳中のお客様はお控えいただくのが宜しいかと思います」

海外メーカーやお酒の割りモノのなかには…

 つまり、甘酒やお酒入りチョコや菓子類などを食べた場合は、運転は控えたほうがいい。日本国内の主要ビールメーカーのノンアルコールビールやアルコールテイストの飲料であれば問題ない。しかし、日本の酒税法でノンアルコールビールと謳われていても海外メーカーのモノや、お酒の割りモノのなかには微量のアルコールを含んでいる可能性がある。雑誌ライターの傍ら、神奈川県の酒屋でアルバイトをしている男性がこう言う。 「たとえば海外メーカーのビアテイスト飲料。オーストラリアの『ブローリー』には0.9%、アメリカの『テキサスセレクト』には0.5%未満のアルコールが含まれています。日本の酒税法では1%未満でお酒ではなくとも、十分に気をつけたほうがいいでしょう」

警視庁によると…

 では、ノンアルコールビールやアルコール入りの食料品などで飲酒運転になってしまった事例などはあるのだろうか。そこで、警視庁に問い合わせてみたところ、以下のような返答が戻ってきた。 Q.実際にノンアルコールビールや微量のアルコールを含むチョコなどの菓子類を大量に飲食して捕まってしまった人はいますか? または統計などはありますか? 「ご質問の趣旨に該当すると思われる統計データはありません」  このような事例のデータはない。では、飲酒運転の予防に向けてどうすればいいのか? 「道路交通法においては、身体に保有するアルコールの程度にかかわらず、車両等を運転する行為を禁止しています。アルコールを含む食品や『ノンアルコール飲料』の飲食であっても体質によっては酒酔い運転、摂取量によっては酒気帯び運転になる可能性もありますので、運転しようとする方ご自身でしっかりと確認してください」  要するに、たとえ呼気1リットル当たりのアルコール量が0.15mg以上とならなくとも、体質によって個人差があり、そもそも事故を起こしてしまっては元も子もないからだ。アルコールによって正常な判断を失い、万が一の事態に発展してしまえば、被害者の命、家族、お金、社会的な地位など、多くの「大事なもの」が奪われてしまうだろう。運転する前には、アルコールが含まれていないか、じゅうぶんに注意してほしい。悲しい事故が減ることを願っている。<取材・文/藤井敦年> 【引用・参考一覧】 公益社団法人アルコール健康医学協会(http://www.arukenkyo.or.jp/health/prevention/index.html) サントリーホールディングス株式会社(https://www.suntory.co.jp/customer/faq/003105.html) サッポロビール株式会社(http://www.sapporobeer.jp/inquire/0000000182/index.html) キリン株式会社(https://faq.kirin.co.jp/faq_list.html?page=1&category=30) アサヒビール株式会社(https://www.asahibeer.co.jp/non-alcohol/faq/) 株式会社ロッテ(https://www.lotte.co.jp/qa/choco.html) 森永製菓株式会社(http://www.morinaga.co.jp/contact/faq/detail/233
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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