日々のイライラから抜け出すには? 最初の一手間で面倒な生活から脱却できる
あなたが漫然と過ごす日常には、いったいどれだけの削ぎ落とすべき無駄が存在するのか? 万事において情報過多で、選択肢が溢れるこの時代だからこそ真に選択すべき聡明な毎日の過ごし方とは? 今ここに改めて、煩雑な作業に追われるイライラした日々から抜け出し、快適な生活を送る「スマートライフ」とは何かを考える。
非スマート生活から脱却するための心構えとはいかなるものか。『ライフハック大全』の著者である堀正岳氏は「ちょっとした費用や手間の初期投資をするだけで、効率化できる作業は世の中には実はたくさんあります」と指摘する。
「そういった投資を惜しんで、短絡的に『面倒くさい』『忙しいから』などと実践を先延ばしにしたがゆえに、結果的に多くの時間やお金を犠牲にするのは非常にもったいないことなんです」
そこで大事なのが、「これを導入したらこれからの毎日がどれだけ快適になるか」を長期的視点で考えることだ。
「例えば、僕は新しいパソコンを買う際、必ずCPUやメモリはフルスペックにします。標準モデルよりも数万円高くつきますが、長い目で見れば何十時間も節約できる。そうして得られる時間や快適さを考えれば、決して高い買い物ではないんです」
また、スマートライフは一部の向上心が高い人が目指すべきものではと考える人もいるが、実は逆で「あくまでライフハックは自分自身に優しくするための手段のひとつ」だと堀氏は語る。
「最初に手間やコストをかけてシステムをつくり上げれば、少ない労力で未来の自分の負担を減らすことができますよね」
人間は些細なことで調子が変わる不安定な生き物。だからこそ、その振れ幅を微修正する自衛策が、必要になってくる。
「とはいえ、全部のテクニックを取り入れるのは大変なので、実践するのは自分が必要だと思うものや、ストレスなく取り入れられると思うものだけでいいんです。僕もブログで膨大な量のライフハックを紹介していますが、とても全部は使いこなせませんから(笑)」
自分の人生の効率化を無理なく積み重ねていくことで、時間や金銭、ストレスの軽減という長期的リターンを得る。それが快適なスマートライフの極意なのだ。
《スマートライフの心得》
●スマートライフのためには最初の投資や手間は必須
●本来、ライフハックは自分の弱点を補うツール
●自分にとって本当に必要なことを取り入れていく
【堀 正岳氏】
ブロガー。ブログ「Lifehacking.jp」の管理人。本業は海洋研究学者。同ブログの技をまとめた『ライフハック大全』(KADOKAWA)が発売中
取材・文/小林義崇 藤村はるな
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