更新日:2022年12月17日 22:46
仕事

出会いアプリTinderでOB訪問も…イマドキの就活生、おじさんが知らない実情

「365日エントリー受付」「エントリーから採用・勤務まで地方学生も上京不要」

 今年1月、日本の採用方式の基礎を築き上げたと言っても過言ではないリクルートホールディングスが、自社の新卒採用に関する大きな方針転換をアナウンスした。  2012年の分社化以降、国内グループ9社の新卒採用はこれまで各社単位での応募が必要だったが、2019年4月入社予定者からは応募先を株式会社リクルートのひとつに統合。リクルートホールディンスやリクルートライフスタイルで行われていた「30歳まで応募可能な新卒採用」「365日通年エントリー」などを採用プロセスに適用する。  内定後の配属などにおいて各社の垣根を越えて事業に必要とされる多様な新卒人材の獲得などを目的としたものだが、新卒採用候補者たちにとっては応募作業が簡略化されたことになり、「オンライン面接」といった取り組みからは地方学生などの優秀な人材の獲得を目指していることも伺われる。  地方の学生にとって上京しての就職活動は経済的にも心身的にもかなりの負担を伴う。オンライン面接が可能になれば、大きな負担軽減になることは間違いない。  ゲームのイラストを中心に映像や3DCGなどを制作している会社「MUGENUP」(東京都新宿区)もこうした状況に問題意識を持ち、独自の取り組みを行っている企業のひとつだ。  言うまでもなく、仕事は大手企業の本社など発注企業のオフィスが多く存在する都市部に集中しがち。特に顕著なのがクリエイティブ業界で、日本のゲーム会社の場合、59.9%(193社)を占めるゲーム関連企業が関東集中関東の1都4県(東京・千葉・神奈川・埼玉)に集中しているというデータもある(ゲーム会社地域別検索サイト「ZENMAI-KUN.NET」)  そんな現状の中で、北海道から九州まで4割がリモートワーカーという「MUGENUP」では、Skypeなどで遠隔地にいるまま面接などを行い、一度もオフィスに来社しないまま採用にまで至る。  同社は2016年採用決定者で、現在も三重の実家で在宅勤務する女性クリエイターの事例を紹介している。  2016年3月、大阪のデザイン系専門学校の卒業にあわせ、ゲーム系企業を目指し就職活動を始めた彼女は、東京などの会社にエントリーしていたものの、面接のための時間や交通費、宿泊費に負担を感じていたそうで、フリーランスとして「MUGENUP」をはじめ数社のイラスト制作会社に登録。卒業から約半年後に同社からスカウトされ、面接も全てSkypeで行い入社が決定したそうだ。  通年採用や遠方採用など、優秀な人材を幅広く採用するための動きは今後ますます広がっていくに違いない。<取材・文/日刊SPA!取材班>
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