更新日:2022年12月17日 23:24
エンタメ

爆笑問題・太田 光「自分はテレビにいまだに受け入れられてない」

まったく進歩しない自分に愕然とする

――実は今から24年前、再ブレイク直前の爆笑問題さんにお話をうかがったことがありまして。そこで当時の太田さんは「作り込んだバラエティをやりたい。そして『それがすごいんだ』という価値観まで持っていきたい」とおっしゃっていました。 太田:こんなに進歩しない人間も珍しい(笑)。むしろ1mmも変わってないことに愕然とするね。普通、20年以上たったら1個ぐらいできていることあるんじゃないのと思うけど、いまだに同じ夢を語っているというのは、何やってきたんだって。つまんない人生だ(笑)。 ――逆にまったくブレてない、とも言えるのでは? 太田:それは世の中がブレさせてくれないんじゃないかな。 ――どういうことですか? 太田:俺のやりたいことがスムーズにできるようになっていれば、どこかできっと満足できたと思うんだけど、これだけやってきて一度もそういうことがないから、同じことを言い続けざるを得ないというか。それは自分のせいでもあるんだけど。 ――達成感がまだないと? 太田:バラエティでいえば、こないだ『とんねるずのみなさんのおかげでした』と『めちゃ2イケてるッ!』が終わったじゃない。ナインティナインは俺らより下で、とんねるずはちょっと上だけど、あのへん前後の世代の人たちは、ひとつのバラエティ番組を確立して、それがもういよいよ終わった、ということでしょう。ただ、彼らと比べると俺はまだ何もできてないっていうのがあって。つまり、自分がテレビに受け入れられてない感がいまだにあるんだよね。 ――これだけいろいろな番組に出ていてもですか? 太田:そう、だからとんねるずもナイナイも率直に言って立派だと思う。だって『めちゃイケ』なんか、「土曜8時」っていうお笑い芸人にとって一番貴重な枠をあれだけの高視聴率で守り抜いたわけでしょう。俺らにはとてもできないし、『ひょうきん族』も欽ちゃんも、そんなに続いてはいないわけで。いろいろ感傷的になっている人もいるけど、俺から言わせると「いや、もう十分じゃない?」と。ただただ羨ましいよ。 ※このインタビューは4/17発売の週刊SPA!のインタビュー連載『エッジな人々』から一部抜粋したものです 【太田 光】 ’65年、埼玉県生まれ。日本大学芸術学部演劇科中退後、同級生だった田中裕二と’88年に爆笑問題を結成。所属事務所からの独立を経て、『タモリのボキャブラ天国』などで一躍、人気を獲得。著書に『爆笑問題 太田光自伝』や小説『マボロシの鳥』など。最新刊に『違和感』(人間関係、格差社会、テレビなどに対し、太田が生まれてこのかた抱いている違和感について語り下ろした、爆笑問題結成30周年記念本。扶桑社刊)がある。 取材・文/中村裕一 撮影/尾藤能暢
株式会社ラーニャ代表取締役。ドラマや映画の執筆を行うライター。Twitter⇒@Yuichitter
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違和感

“世間の常識"に異議あり! また言わないでいいことを、ついつい口にしてしまったというね(笑)

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