雑学

官僚2210人が過労死ラインの残業…改善策は国会運営の見直し

 最近は問題続出で、与野党の追及と国民からの非難に晒される過酷な毎日を送る官僚たち。しかし、現場のほとんどの職員は「真面目に業務に励んでいるのに……」と嘆く。そんな霞が関の“やってらんねぇよ”な声が聞こえてくるのだが――

官僚「もうやってらんねぇよ!」白書

国会自体の運営の見直しが、労働環境改善のカギとなる


 官僚たちを激務から救う方法はあるのか。ブラック企業アナリストで過剰労働に詳しい新田龍氏は、こう提言する。

「官僚の世界でも、真の意味での『働き方改革』を進める必要があります。当然のことですが、定時退庁しても100%完結できる業務フローの設定が必要ですね」

 例えば’15年から各省庁で始められた「ゆう活(夏の生活スタイル変革=朝方勤務と早期退庁の勧奨)」には賛否あり、日本国家公務員労働組合連合会の資料では、現場から「生活のリズムが狂い疲労度が大幅に上がる」「勤務時間の管理も煩雑になり、全体の業務量までも増えた」などの声が多く上がった。労働組合連合会は「職員にとって有効な施策ではない」と、資料内で断じている。

 中央省庁で働く官僚たちの労働組合(霞が関国家公務員労働組合共闘会議)の調べでは、官僚の6.5%にあたる約2210人が、過労死ラインである月80時間以上の残業を余儀なくされている。

 官僚の残業が増える大きな原因が、国会会期中の政府答弁の策定だ。官僚たちは議員からの質問が届くまでの間、ひたすら深夜まで長時間待機している。

「一説には、質問通告の待機が1時間あれば、それだけでタクシー代などを合わせ、莫大な残業代が発生するという試算もあり、極めてムダであるとしか言えません。もっと根本的に言えば、いちいち挙手して席を立ち、席に戻ってまた挙手という、前時代的な会議運営方法を改めるべき。そうすれば議論に集中できるだろうし、全体の時間短縮につながる。官僚たちの待機時間も減り、労働環境の改善につながるはずです」

 霞が関上層部の耳に届くことを祈る。

【新田 龍】
ブラック企業アナリスト。働き方改革総合研究所代表取締役。厚生労働省「イクメンプロジェクト」推進委員。著書に『人生を無駄にしない会社の選び方』(日本実業出版社)などがある

<取材・文/河野嘉誠 高島昌俊 西谷 格 取材/建部 博 キンゾー 撮影/市村円香 山川修一>
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