雑学

転職1週間で「お前の欠点一覧表」を渡され…ITベンチャーの狂った社風を見た

 今年2月に発表された総務省統計局の平成29年「労働力調査年報」年齢階級別転職者数によると、’17年の転職者は311万人。転職者の数はここ5年間で24万人増えており、年齢別に見ると、25~34歳が79万人と最も多く、転職者全体の4分の1を占める。

 かつて限界とされていた35歳以上の転職が近年はより一般化している実態もあるようだが、転職市場におけるメインはやはりアラサーで、いまやゆとり世代(出生年’87年-’03年)の存在感も年々増しているようだ。

 リーマンショックの煽りを受けていた就活市場から一転、好況な転職市場に繰り出したゆとり世代たちの、悲喜こもごもな転職事例を紹介していこう。本記事で紹介するのは学習院大学を卒業後、IT業界で営業として働いてきた今野貴教さん(仮名・28歳・兵庫県出身)の事例だ。

入社一週間で「お前の欠点一覧表」を渡される


前職の異常性には退職後に気づいたという今野さん

 2回の転職を経て、昨年から勤めている都内IT企業が3社目となる今野さん。

「ずっとIT業界に籍を置いてきました。職種は営業で1社目はSI(システムインテグレータ)というお客さんにシステムを提案するBtoB企業。1社目の居心地は悪くなかったんですけど、1社目でお世話になった上司から、彼の転職先の会社に誘われたのが最初の転職のきっかけです。ちょうど5年半勤めて1社目の仕事に飽きてきたタイミグだったし、2社目は学生時代から興味のある分野の商品を扱う会社だったので決意しました」

 1社目の最後の1年間は札幌にいたそうだが、転職を機に再び東京に戻ってきた今野さん。月収は10万円ほど減ったが、転職先は、音響やITを掛け合わせた商品のメーカーという点が魅力に映った。

「小さなスタートアップの企業だったし、福利厚生も社保のみ。有給や残業という概念もないようでした。基本給が会社の業績がよくなったら適当に昇給するくらいの説明で。やっていることがおもしろそうという、ただそのモチベーションだけです」

 社長は女性だったが転職先は男所帯。20代は今野さんとインターンの学生の二人だけで、他の従業員は50~60代と年齢層は高く、入社後、今野さんは60代の営業部長の下につき、会社の業務を習い始めたが、今野さんはすぐに違和感を抱き始める。

「営業はルートも新規開拓もやる感じ。社員10人に満たない会社で、営業のほかにも必然的に企画・技術面にも関われるという話でした。入社して2、3日した時、明らかな会社の課題、業務効率上の問題を感じたので、直属の上司に相談してみたら、『入社したばかりでエラそうなことを言うな。入社させてもらったという感謝の気持ちが足りないんじゃないか?』と言われました。

 その時はそんなもんかとも思ったんですけど、入社して1週間経った頃、今度はA4の紙が一枚机から出てきて、『これなんですか?』って聞いたら、『お前の欠点一覧表だ』と。ちょっとこの会社、変だなと思うようになりました。そこには“挨拶しない”と書かれており、3割は当たっていたんですけど、7割はマジで頭おかしい内容。“社長がお茶を飲みたそうにしている時に、お茶を持っていかない”とか…知るかよ!と」

 独特の雰囲気の気持ち悪さに気づいた今野さんは社員同士の会話にも違和感を覚え始める。

「『ありがとう』と言われたら『ありがとう』と返さなきゃいけないみたいに、会社ではとにかく“感謝のマインド”を重視していて、語尾に『ありがとう』をつけるんです。誰かがお茶を飲みたそうにしていたら率先してお茶を持っていって、『ありがとう』『ありがとう』。社内の会話は『ありがとう』のオンパレードです。僕とインターンだけ全く実践してなかったんですが、他の人たちは狂ったようにお茶入れてました」

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「君は感謝のマインドが絶望的に欠けている」

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