仕事

エステ業界の女性が明かすブラックぶり。月7万円の商品を自腹で買ったことも

最大7万円の自爆営業というオプションも

 長時間労働で倒れたのが直接の退職理由だが、彼女が退職した理由は他にもある。  “自爆営業”だ。 「美容エステなので化粧品を売っていたんですけど、自分たちのお金で化粧品を買い、売り上げを上乗せするというのがあって。MAXで月7万円使ったこともありまた。しかも私は事務職でインセンティブのない職種なのできつかったです。でも、ノルマのキツい店長はもっと買っていました。売り上げが悪くない月でも、毎月3万~5万円程度は当たり前のように買わされて、長く続けるところじゃないなと思いました」  もっとも、自爆営業はエステサロンならどこであってもおかしくないものらしい。  女性向けのサロンのため従業員は全員女性だったようだが、人間関係はどうだろうか。 「20代の若いコがやはり一番多かったんですけど、50代のパートさんもいて、年齢層が広かったし、同年代もサバサバしていい人が多かったから、少なくともうちの店舗はあんまり人間関係で悩むことはなかったですね。たまに夜ご飯を一緒に食べたりすることもありました。産休制度はあったみたいですけど、周りで実際に使っている人はいなかったです。多分、みんなそのまま辞めていくんでしょうね……」  ちなみに教えてもらった社名を検索してみたが、地図情報が申し訳程度に掲載されたサイトがあるだけで、日刊SPA!取材班では会社概要などのページは見つけられなかった。 「先日、お店を調べたらホットペッパービューティーにも出なくなっていました……。私は退職して1年ほど実家で休んだ後、今は大手食品メーカーの事務職として働いています。給料は少し目減りしましたが、労働環境やその他の待遇を考えると今の会社は天国です」<取材・文/伊藤綾>
1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、マイナビニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催。X(旧Twitter):@tsuitachiii
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