「薬でうつは治らなかった」。うつの精神科医が明かす、まずやるべきこと
厚生労働省が3年ごとに全国の医療施設に対して行っている「患者調査」によると、’14年に医療機関を受療したうつ病・躁うつ病の国内総患者数は112万人。’96年の43万人から右肩上がりで増え続け、なんと18年間で2.6倍も増加している。
また、うつ病患者の4分の3は医療機関を受診していないと報告されるほか、一説ではうつ予備軍を含めると1000万人を越えるとも。こうしたうつ病患者の増加に伴い、精神科・心療内科の数も増え続けているという。
「一般的に精神科・心療内科を受診すると、医師は患者さんの症状を聞いてアメリカ精神医学会による診断基準に照らし合わせて診断していきます。一定の症状が当てはまれば、あとは治療ガイドラインに従って薬を処方するだけです。
イギリスなど薬物療法よりもカウンセリング優位に治療を進めていく国もありますが、日本ではとくにこの“マニュアル化”が顕著で、初診でもガイドラインに従って薬を処方します。確かに薬を飲めば一時的に症状を押さえつけられるかもしれませんが、薬が無くなればまたうつがぶり返すのは当然のこと。うつの根本を治せずにクリニックに通い続けている患者さんが多いんです」
そう語るのは、ベストセラー『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』などの著書を持つ宮島賢也氏。自身も7年間投薬による治療を続けてきたがうつを克服できなかった経験から「薬に頼らないうつ治療」を掲げる精神科医だ。
「なかには3分ほど患者さんの話を聞いただけで“うつ”と診断し、とりあえず抗うつ剤や睡眠薬をドサッと出しているクリニックも少なくありません。『うつをなんとかしたい』と必死の思いで病院に駆け込んでも、薬を大量に処方されるばかり。“騙し騙し”の状態でまた社会に戻っていかなければならなくなってしまいます」(宮島氏)
皮肉なことに、こうして流れ作業的に診断書を出してくれる病院は”詐病”で休職を狙う人々にとっては都合が良いということで、ネット上で口コミが広がり客足が伸びているケースさえあるようだ。
投薬治療によって、今現在うつで苦しむ患者の“つらさ”が緩和され、一定の効果が得られるのは事実だろう。だが、それらは一時的なもので根本からの改善につながることは難しいというわけだ。では、国内に1000万人いるとも推測される“潜在うつ”の人々は、どのようにうつと向き合っていくべきなのか?
「そもそもうつは『このままの生き方を続ければいよいよあなたが潰れてしまいますよ』という心からの警告。その警告を無視して無理を続ければ、自殺という最悪の結末にも繋がりかねません。うつのきっかけは人それぞれですが、根本から治すためには一度立ち止まってうつの要因である“過去の記憶”を解消し、本当の自分に気付く必要があります。
そうした作業のために心理療法士とのカウンセリングを受けられるクリニックもあるのですが、病院に行くのはあくまで“最後の手段”くらいでいいと私は思っています。『ちょっと気が落ち込んでやる気がでないな』くらいの状態で病院に行くと、早々にうつと診断されて長い投薬治療が始まってしまいますからね」
意外なことに、宮島医師は誰にでもすぐ実践できる“うつ治療の第一歩”として「食生活の見直し」を挙げる。
“マニュアル化”が顕著な日本のうつ治療
「病院に行くのは“最後の手段”くらいでいい」
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