こうして別れを決めた緒川さんは、私物をかき集め、Mさん家の合鍵を郵便受けに返し、自宅に戻った。それからMさんから連絡がきても無視していたそう。 「1か月後に共通の友人から聞いたのですが……実は、あの後自宅から締め出されたMは、あまりのお腹の痛さに、近所のビジネスホテルに脂汗を流しながらチェックイン。ベッドで悶え苦しんでいたら、気を失ってしまったそうなんです。意識が戻り、怖くなったMはフロントに電話して救急車を呼んでもらい、そのまま入院したそうなんです」 　なんと、仮病ではなく尿管結石だったそう……。 「まさか本当にお腹が痛かったなんて、悪いことしちゃったかな……とも思いますが、今まで散々仮病を使って浮気をごまかしてきたバチが当たったんじゃないかなと、少しザマーミロという気持ちもあります（笑）」 　ネイマール的な仮病男のMさんは結局、“おおかみ少年”のようなろくでもない目にあってしまったようです。　＜取材・文・イラスト／鈴木詩子＞ ― 身近に潜むネイマールなヤツ ―漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』（青林工藝舎）が映画化。