子供に好かれる先生は同僚に嫌われる…元保育士の女性がイジメにあった過去を告白
続いて話を聞いたのは、保育士として3年前まで働いていたIさん(28歳)。彼女の職場では多勢によるいじめが行われていたという。
「そこは経営者と園長がズブズブで、絶対的な権限を持っていたんです。他の先生たちがいかに園長に気に入られるのかの合戦が毎日行われていました。その園は2つ目の職場で、1つ目が平和だった分、その流れに気付くことができなかったんです」
Iさんはたった一度だけ、経営者家族の家へのお呼ばれを断ってしまったことでいじめの対象になってしまう。
「お呼ばれの時は家族の用事でどうしても参加できませんでした。断った時は園長は笑顔で理解してくれたのに、次の日出社すると今まで仲良くしてくれていた同期の先生から無視されて……。話しかけられる時は用事の時だけ。パソコンなどで作った園だよりなどの資料のデータが消されたことや、手書きで作った保育室の装飾物を破かれていたこともありました。トイレ掃除も新人の分担なのですが、私だけやらされ続けましたね。
本当に辛かったのは、休憩時間は私以外のみんなが輪になって聞こえるように文句を言われること。居場所がなくて、トイレやロッカー、外にある階段の隅っこで時間を潰していましたね……」
Iさんは正規雇用だったこともあり、いじめにあう前から属託の同期には「正規なんだから」と数々の作業を負担させられていたとか。男性がいるところではあまり行われない女性の陰湿いじめ。もちろんいじめなどない園のほうが多いだろうが、働く前に見極めることが難しい。あの癒し系の笑顔の裏にはこんな苦悩が隠されているのかもしれないのだ。<取材・文/藤 文子>
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