更新日:2012年03月22日 19:04

哲学者・萱野稔人氏がその内部からジモト愛を分析

哲学者・萱野稔人氏がその内部からジモト愛を分析  前出の「西荻串かつセンター穴熊」の常連のひとりに、津田塾大学国際関係学科准教授で哲学者の萱野稔人氏がいる。 「穴熊もそうなんだけど、立ち飲み屋は、客や店員との距離が近く、会話が成立しやすい。それに安いから常連になりやすいんです。その点、現在の立ち飲み屋ブームと、若者のジモト回帰は無関係ではありません。年齢を重ねれば着実にステップアップできるという高度成長時代の生活モデルが崩れ、低成長時代に入った象徴。高度成長をアテにできなくなった若者が、わざわざ都心で気張って高いお金を使うより、地元で気の合う人と楽しみたいと思うのは当然です。  ただ、立ち飲み屋はコミュニティが生まれやすい反面、ベタベタしないという空気感が前提にある。新たに仲間に入るためには、距離感を保ちながら楽しく会話できる高いコミュニケーション能力が必要です。本来、共同体というのは、無条件に相手を受け入れる関係のこと。その意味では、”ジモト”は出し入れ可能な『擬似コミュニティ』なんですよね」  当初、23区最西端の西荻に「地の果て感」を感じていたと言う氏も、都心とは違う「スマートな地域コミュニティ」に、居心地のよさを感じているよう。 ― 住んでる街の[ジモト化](近所の仲間づくり)計画【3】 ―
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