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コミュ障だから管理職は無理…昇進を拒み続けた中年SEは今なにを思うのか

 7割は課長になれないと言われて久しい。実際、40歳以上の未役職者は60%を超え、多くの人が万年ヒラ社員の憂き目に遭わされている。出世を諦めた男たちは今、何を思い、どんな毎日を送っているのだろうか。諸事情あって“万年ヒラ”に陥ったOVER40サラリーマンを直撃。これまでの会社人生を振り返ってもらった。 コミュ障

コミュ障だから管理職は無理。昇進を拒み続けた中年SE

― 正岡安男さん(仮名)41歳・SE 年収500万円 ―  多くのヒラ社員の憧れの対象である管理職。だが、「過去に2回、昇進のオファーを受けましたがすべて断りました」と伏し目がちに呟くのが、システム会社でSEとして働く正岡安男さん。果たしてその理由とは? 「内向的な性格ゆえ、人と接するのが苦手で。SEという仕事柄、会社では一人で黙々とパソコンに向かってひたすらプログラミングをしていればいい。一日中誰とも話さない日も多く、僕にとっては天職です。でも、管理職になると部下や後輩への作業指示や、クライアントとの会議やプレゼンなど人前で話す仕事がメインになる。人見知りの僕には恐怖でしかありません。だから断るしかないんです」  だが、出世したら、給与や裁量権などメリットも多い。それらに魅力は感じなかったのか。 「管理職のストレスを考えると、年収が数十万円増える程度では割に合いません。独身なので、給与は自分が生活できれば十分。節約するほうがマシです。あと、周囲を見ても、実力がなく、何となく出世してしまった上司ほど、毎日仕事が終わらずに大変そう。特に秀でたものがない自分が出世しても、同じ状況に陥るのは目に見えています」  そう語る一方で、同僚が昇進していく様子を見ると、複雑な感情を抱くこともあるとか。 「出世して、やりたいことを実現させていく同僚を見ると、羨ましさを感じます。ただ、それは管理職という立場よりも、『出世しても活躍できる前向きな性格』に憧れているんですね。もし僕がもっと社交的なら、人生は違ったかもしれませんから」  はなから「出世に向かない」と諦めて生きる道もある。しかし、そこは劣等感にさいなまれながら歩む修羅の道だ。
與那覇 実

撮影/スギゾー モデル/與那覇 実

― 死ぬまでヒラ社員の衝撃 ―
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