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40過ぎのヒラ社員500人に調査「なぜあなたは役職につけなかったか?」

 7割は課長になれないと言われて久しい。実際、40歳以上の未役職者は60%を超え、多くの人が万年ヒラ社員の憂き目に遭わされている。そこで今回はOVER40のヒラ社員500人にアンケート。“死ぬまでヒラ”のリアルに迫った。 撮影/スギゾー モデル/與那覇 実

なぜあなたは役職につけなかったか?

 減給やリストラに怯える中年ヒラ社員は、その不安から自信を喪失し、結婚や子づくりをためらわざるを得なくなる。では、なぜ中年ヒラに至ったのだろうか?  まず、「社会人になってから出世したかったのか」(Q1)という問いに、「興味がなかった」が39%、「どちらかと言えばなかった」が33.8%と、70%以上が出世自体に関心がなかった。 ============= 《Q1 そもそも社会人になってから、「出世したい」と思っていましたか?》 出世したかった 7.4% 出世には興味がなかった 39.0% どちらかと言えば出世したかった 19.8% どちらかと言えば出世には興味がなかった 33.8% 「興味がなかった」が約4割。「仕事の責任や制限の増加が嫌な人が多いのでは」(人事コンサルタントの西尾太氏) ============= 「趣味や友人もいないので食いっぱぐれなければいい。その程度しか考えたことがない」(49歳・食品)や「責任を取りたくないので出世に興味がなかった」(52歳・SE)と、そもそも“勝負”する気がなければ、体力のなくなった日本企業で役職数が減少傾向にあるなか、中年ヒラという末路は火を見るよりも明らかだ。  では、出世欲のあった中年ヒラ社員は「いつ諦めたのか」(Q2)。最も多かったのが、30代で36.4%、40代前半を含めると52.8%と、まさに半数以上が人生を折り返す前に白旗を掲げている。こうした背景を世代・トレンド評論家の牛窪恵氏はこう読み解く。 「30代前半は自分の同期に役が付き始める時期。その頃に出世ができず、ひと通り転職活動も検討や実践をしたが上手くいかなかった……という人は多いはずです。また既婚者は同時期に、子供の送り迎えなど家で求められることも増えてきます。そういった事情で30代~40代前半の頃に『もう出世を目指して会社に尽くすのはやめよう』と諦めた人もいるのでしょう」 ============= 《Q2 「出世する≒役職につく」をいつ諦めましたか?》 20代前半 5.6% 20代後半 7.9% 30代前半 14.4% 30代前半 22.0% 40代前半 16.4% 40代後半 10.8% 50代前半 2.6% まだ諦めていない 20.3% まだ諦めていない人が2割。「上のポストが空くのを待っている人もいるはずです」(牛窪氏) =============  30代後半で諦めなくてもヒラの場合もある。だが40歳を超えて「まだ諦めていない」と考えてもあとの祭りだ。 「働き方改革で今後さらに高い生産性を突きつけられ、競争が激化するというのに無謀です」(経営学者の山本寛氏)
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出世は降って湧きはしない
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