安くて、耐久性が高くて、機能的なミリタリーアイテム。古着や上野アメ横なら、真冬用の防寒着でも数千円程度で手に入れることができるコスパのよさは魅力的です。しかし、その半面、どうしても野暮ったい印象も否めません。そこで、今回は秋を賢く乗り切る「ミリタリーの活用方法」をレクチャーします。 　まずはStyle1。本連載の基本中の基本「ドレスとカジュアルのバランス」を思い出してください。カジュアルなアイテムばかりを集めてしまうと、子供っぽく、安っぽい印象が強調されます。カジュアルなものにはドレスなものを合わせてバランスをとるのが、おしゃれのセオリー。ミリタリーアウターはカジュアルだからこそ、シャツにスラックスといったフォーマルライクなもので、大人っぽく着こなしましょう。なお、秋にミリタリーアウターを選ぶならおすすめは「ファティーグ」。ベトナム戦争時に活用された米軍ウェアであるファティーグはシャツ襟があり、シンプルなデザインで、ほかのミリタリーよりも品のある顔つきをしています。これとスラックスを合わせれば、少なくとも「大失敗」にはなりません。ファストファッションでも古着でも、数千円で手に入ります。 　続いてStyle2。ワッフル素材のカットソーはミリタリーの定番インナー。表面にお菓子のワッフルのような凹凸があるものですが、この凹凸のおかげで素材に表情が生まれます。シンプルな着こなしをしても、素材に変化があるため地味に感じられにくいのですね。また、生地に陰影が生まれるため、お腹回りのふくらみが目立ちにくく、出っ張った腹も多少ごまかす効果があります。耐久性も高く、ワッフル構造のため中に空気を含みやすく、汗をかいてもドライな質感と高い保温性を失いません。機能的にも文句なし、さすがはミリタリーです。 　最後はStyle3。探さないとなかなか出てこないアイテム「ECWCS」（エクワックス）。スノーボードウェアの原型と言われている米軍ウェアです。防寒性ももちろんですが、内部の湿気を逃がす透湿性もあり、秋から冬、春まで使える超機能を誇ります。また、ポケットが多く、財布にスマホ、タバコと収納できるため、バッグいらず。私はこの時期になると毎年愛用しています。見つけたら即買い必至です！ファッションバイヤー。最新刊『MBの偏愛ブランド図鑑』のほか、『最速でおしゃれに見せる方法 <実践編>』『最速でおしゃれに見せる方法』『幸服論――人生は服で簡単に変えられる』など関連書籍が累計200万部を突破。ブログ「Knower Mag現役メンズバイヤーが伝えるオシャレになる方法」、ユーチューブ「MBチャンネル」も話題に。年間の被服費は1000万円超！ （Twitterアカウント:@MBKnowerMag）