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DV加害者に30~40代が多いワケ。止まらない暴力の連鎖

DV加害者に30~40代が多いワケ

DV現場

写真はイメージです

 栗原さんの更生プログラムに通う男性たちの年代を聞くと、30~40代が圧倒的に多いそう。それには理由があるのだろうか。 「親の問題が多いです。今の30~40代の親は多くが60~70代。彼らは、当然のように教師から殴られ、家でも殴られといった時代で育っています。そしてその世代の子供として育った男性の中には、『それが当たり前だろ』といった思考になっている方も多いのです。  問題を解決するのに一番手っ取り早いのは暴力という発想で、これを相手を支配する方法に使ってしまっています。今は学校で教師が生徒に手を出す時代ではなくなりましたが、各々の自宅の状況は野放し。結局、家で親の暴力を見てきたことが脈々と受け継がれ、今の若い世代にも浸透してしまうのです」  子は親の背中を見て育つとはまさにその通りで、親の暴力を見ながら育つと、自然とそれが当たり前になってしまうのも頷ける。現に、栗原さんのプログラムに通う10代のDV加害者もいるのだそう。 「早くに結婚した10代の方、そしてまだ結婚していない10代のカップル、はたまた高校生が来ることがあります。下は10代、上は70代まで様々。ですが、年齢は違えど根本的なことは変わらないんです。それは『相手を支配する思考』。この連鎖が続いてしまっているのが現状です」  過去に受けた教育の名残りも少なからず影響しているのか、いまだに「カッとなるとすぐに手を出す」人も多いだろう。それが世代をまたぎ受け継がれてしまうと、DV行為がなくなる可能性は極めて低くなる。  連鎖を食い止めるためには、暴力文化の徹底根絶へ向けた取り組みはもちろんのこと、栗原さんが行うプログラムのような、加害者を更生させる機関をより充実させることが必要不可欠ではないだろうか。<取材・文/日刊SPA!編集部>
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