更新日:2019年02月28日 14:57
ライフ

「日本に行きたい」リオのカーニバル名門サンバチームが語る日本愛

ブラジルとは対極的な日本の文化や社会のあり方に「夢を感じる」

サンバ連

ともに作詞作曲し、歌い、演奏し、踊る。老若男女の日常的対話文化であるのがサンバ。カルナヴァルのサンバは、1年に1度のリオ各地域のサンバ連による集大成的祭典だ

 93年前の1926年に、前身のチーム、プラゼール・ダ・セヒーニャが誕生。1947年に再編して大型化とともに現在の名称インペーリオ・セハーノに改名、2019年で72周年となる。
トロフィーの数々

多数の名曲と名手で知られ、リオのカルナヴァルでは未だに破られないインペーリオ・セハーノの4連勝記録。インペーリオの入口に並ぶトロフィーの一部

 実は1970年代から同チーム出身の有名ミュージシャンであるウィルソン・ダス・ネヴィスの来日公演以来、日本と最も古い交流関係を持つ名門サンバ連として知られている。ブラジルを代表するたくさんの名曲とミュージシャンを輩出することで、世界的に有名だ。  日本では古くはジャズ・アーティストの渡辺貞男氏もインペーリオによる1977年の名曲をカヴァー演奏している。
聖火ランナー

2016リオ五輪時にはインペーリオの長老的アーティストの1人、ゼ・ルイス氏が聖火ランナーとして走った

 一方、リオデジャネイロ市は2016年の五輪後、長引く不景気と政情の不安定さ、治安悪化に悩まされてきた。今年に入って日本でも報道された、たび重なる大きな災害、さらに大雨による水害や事故など、毎週のように悲劇が起きている。
歌手のシラスさんと打楽器隊副指揮者のヘナンさん

シラスさん(左)とヘナンさん(右)

 しかし「悲しめる時こそ、理屈抜きにポジティヴにいるべきだ」と明るく笑顔で思うことができる“カリオーカ”=リオっ子のたくましさには目を見張り、脱帽するばかりだ。 「うちの子供たちに限りませんが、ブラジルの子供たちの多くは日本のアニメにとても親しんでいて、日本に行きたいと言うんです。僕自身も日本文化や社会のあり方はブラジルとは対極的と感じられます。でも、その相互補完に夢を感じるんです」と言うのは、歌手のシラスさんと打楽器隊副指揮者のヘナンさん。
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日本からの参加者も増加中
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