「友人が知り合いの興信所に安く頼んでくれて分かったのですが、なんと妻も不倫していたんです。相手は妻より年下の25歳。それもかなり昔からの関係のようで、もう3年近くになるとのこと。さらに妻はその男と半同棲する約束をしていて、その資金のためにカネがいるようでした。 　離婚しないのはしばらくの間、僕からカネを搾り取ろうとしたんでしょうね。さらに、彼女はその資金を貯めるためか人妻風俗で働いていること、出会い系でパパ活をしていることまで判明したんです。もう、すべてを知って唖然としましたね……」 　岩瀬さんはすべての証拠を叩きつけて、妻に離婚を申し出た。 「さすがに動かぬ証拠があったため、妻は何も言い返せなくなっていましたね。僕の要求は慰謝料は一切払わないしこっちも請求しないから、離婚してほしいというもの。妻は言い訳なのか『アナタが子供を作ってくれないから』『寂しかったから』と喚いていましたが、無視して離婚届に判を押させました。僕から300万円を取るどころか離婚届を出されて、妻はかなり悔しそうでしたね」 　それから数か月後、岩瀬さんに新しい彼女ができたという。しかし……。 「彼女と一緒に暮らすための新居が見つかるまでの間、僕の家にしばらく住んでもらうことになったんです。離婚した妻にはとっくに出ていってもらっていたんですが、彼女がうちに住み始めてから妙なことが起きるようになったんです。何者かに家の前にゴミをまき散らされる、彼女の靴が盗まれるなど……。ほかには家に無言電話がかかってくるなど……。気味が悪いので防犯カメラを設置したところ、すべて前妻の仕業だとわかりました。 　調べてもらった友人の話によると、前妻は不倫相手だった男に散々カネを使わされた挙句、別れたそうです。嫌がらせをしたのは、僕だけ幸せになるのが許せなかったんでしょうね。嫌がらせはさらに続き、彼女のSNSに前妻から意味不明なコメントやらメッセージが来るまでに……。彼女がすっかり怯えてしまっていたので、弁護士に相談して早急に引っ越しましたね」 　弁護士に警告させた今は、前妻は大人しくなったという。このトンデモ離婚劇を岩瀬さんはこう語る。 「変な話ですがもし僕があの時浮気しなかったら、前妻の本性は発覚しなかった。あの時、浮気しといて良かったと今は思えるんですよね」 　自らの浮気で妻の本性を知る。非常に危ない橋だとは思うが、今の岩瀬さんにとっては吉と出たようだ。 【結城（ゆうき）】 男女観察ライター。世の男女を観察し、夫婦問題からイタい火遊びまで、幅広いエピソードを華麗に紡いでいく。Twitter：@yuki55writer