黒田勇樹 無職の心境を語る「もはや“何をしてる人だかわからない”ですよね」
「俳優を辞めた僕がなりたいもの。それは“ユカイなお兄さん”です」。
元俳優・現無職の黒田勇樹。中性的な顔立ちと華奢な体つきで、ドラマ『人間・失格』のイジメられっこ役や『ひとつ屋根の下2』の浪人生役での高い演技力で注目を浴びた、あの黒田勇樹だ。そんな彼だが、昨年5月に俳優業を引退していたという。一体、何があったのか?
「辞めた理由は、単純に仕事が減って事務所から『このままじゃ契約を更新できない』と言われたから。俳優を続けても全然食えたんだけど、一番忙しかった中高時代に比べれば、明らかに仕事が減っていた。だから『今のうちに俳優以外の別のことを始めたほうがいいかな』と思ったんです」
そして、芸能界を引退後は、コールセンターと運送会社の作業員として働き始める。
「でも、数か月前にコールセンターが倒産しちゃって。今は運送会社も辞めて、失業保険で生計を立てながら就職先を探し中なんです」華々しい芸能生活から無職へ。
典型的な「元子役俳優の転落」にも見えるが、その後、彼は意外な方向で才能を開花させるのだ。
「暇にあかせて作ったアニメがネットに流れて話題になったのをきっかけに、HPを立ち上げたり、トークショーを開催してみたり。もはや、“何をしてる人だかわからない”ですよね(笑)」
そんなユルいスタンスが、ネットを中心に大人気に。それにしても、シリアスな俳優時代からなぜこんなぶっ飛んだ方向転換を?
「俳優を辞めた直後は、当然精神的にもクサりましたよ。酒も毎晩大量に飲んでたなあ。でも、売れなくなった芸能人の典型のように、麻薬や酒で失敗して、『ああ、やっぱりね』って世間から思われるのも癪だし(笑)。だったら、以前とは全然違う方向に振り切れてたほうが、面白いでしょ?」
どこまでもスーパーポジティブな黒田氏だが、ときにはふと人生を振り返って思うこともあるよう。
「『小さい頃から俳優だったこと』が、僕の人生の落とし穴だったのかも。一度も俳優人生に疑問を持たなかったから、とことん演技を突き詰めたり、ほかの事柄に関心を持つ機会があまりなかった。まあ、過去のことを後悔しても仕方ないんですけどね」
ちなみに最近の目標は、「そろそろ失業保険が切れてしまうから、毎週『ジャンプ』を読めて、毎晩酒が飲めるぐらいの安定した収入を確保すること」だとか。
「やっぱり自分の生活は大事。そして、その“余力”で日本を元気にできたらいいですよね。今はね、収入的には全然満足できないですが、毎日すごく楽しい。人生って、いかに暇をつぶすかが勝負だと思うし、俳優時代より体裁やタブーを気にしなくなって女のコにもモテるようになったのも嬉しいしね(笑)。とにかくこのゼロの状態からのスタートを楽しまなきゃ損だなって思ってます」
【黒田勇樹氏】
82年生まれ。元俳優。赤ん坊の頃からモデルとして活躍。現在、サイト『黒田運送(株)』(http://yuukikuroda.com/)やTwitter(@yuukikuroda)も絶賛更新中!
― 30代男がハマった[人生の落とし穴]告白集【6】 ―
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